相続対策浜松
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1
.相続税の節税対策の方法


相続税の節税対策とは相続税の課税対象となる財産を減らしたり、様々

な特例を利用したりすることで相続税の金額を抑えることです。相続税

の節税対策の方法をご紹介します。どの節税手法を使うべきかについ

ては相続財産や相続人の状況によって異なりますので、相続税対策を

おこなう際は専門家のアドバイスを受けることをおすすめします。


@生前贈与で相続財産を減らす



生前贈与とは生存している個人から別の個人に財産を無償で渡すことで

す。亡くなる前に生前贈与をおこなうことで、相続税の課税対象となる

財産を減らすことができます。


例えば、財産を1億円持っている状態で亡くなってしまうと1億円に対し

て相続税が課税されます。しかし、亡くなる前に3千万円を人に渡して

おけば財産が7千万円になりますので、7千万円に対して相続税が課

税されます。3千万を生前贈与することで相続税の課税対象となる財

産を3千万円減らすことができます。



 
相続財産



生前贈与をしなかった場合




1億円


3
千万円を生前贈与した場合


7千万円



ただし、生前贈与をおこなうと贈与の際に贈与税が課税されます。相続

税を減らすために生前贈与をしたにもかかわらず、多額の贈与税が課

税されてしまい結果的には生前贈与しなかった方が良かったということ

もあります。


生前贈与で相続税の節税対策をする場合の注意点


税務調査の際、生前贈与を税務署に否認されてしまう場合があります。

生前贈与を税務署に否認されてしまうと生前贈与がなかったこととみな

され、贈与分に対しても相続税が課税されてしまいます。仮に3千万円

を生前贈与していたとしても、生前贈与を否認されてしまうとその3

万円も被相続人の相続財産に含めて相続税を計算します。


生前贈与が否認されるケースとしてよくあるのが現金手渡しの生前贈

与です。例えば、子供に100万円を手渡しで贈与した場合、生前贈与の

証拠が無いとみなされ税務署に否認されてしまうことがあります。生前

贈与をおこなう際は銀行振込で贈与するようにしましょう。


また、贈与の際に贈与契約書を作成することをお勧めします。贈与契約

書とは無償で金銭等を渡す時に作成する契約書です。贈与契約書があ

ると生前贈与を立証しやすくなります。


なお、孫に生前贈与するために孫の名前で銀行口座を作成し、その口

座にお金を振り込む方がいらっしゃいますが、この場合、生前贈与は成

立しません。孫に贈与する際は孫が普段使っている口座にお金を振り

込むようにしましょう。

            

 

 

 

  贈与契約書


贈与者は、その所有する


現金 金                 円


を、受贈者が管理する預金口座に本日振り込む方法により贈与する

ことを約し、
受贈者はこれを承諾した。

 
上記の契約を称するため本契約書2通を作成し、贈与者・受贈者は

署名押印
の上、後日のため各自その1通を保有する。

    
                   令和 年 月 日


贈与者   住所


      氏名


受贈者   住所


      氏名

 

 ※収入印紙は不要です。 振込日を記載します。

 

 

 

毎年一定の金額を贈与しないようにする



1
年間の贈与額が110万円以下であれば贈与税がかからないので、毎

110万円以下の金額を贈与する方がいらっしゃいます。しかし、毎年

同じ金額を贈与し続けると定期贈与とみなされ、年間の贈与額が110

万円以下であっても贈与税が課税されてしまう場合があります。


定期贈与とは毎年一定の金額を贈与することが決まっている贈与のこ

とです。例えば、1千万円を100万円ずつに分けて、毎年100万円を10

年間にわたって贈与するという取り決めをおこない、贈与した場合は定

期贈与となります。


定期贈与の場合、取り決めをおこなった年に贈与額の合計額に対して

贈与税が課税されま。毎年100万円を10年間にわたって贈与すると

いう定期贈与の場合は取り決めをおこなった年に1,000万円の定期金

に関する権利を贈与したとして贈与税が課税されます。



死亡前3年以内の贈与には相続税が課税される


死亡前3年以内に故人が相続人に生前贈与をしていた場合、その贈与

額を相続人の相続財産に含めて相続税を計算します。この規定を生前

贈与加算
と言います。余命が短いことがわかってから慌てて贈与して

も贈与分に相続税が課税されてしまいますので注意してください。ただ

し、生前贈与加算の対象者は相続や遺贈により財産を取得した人

す。相続や遺贈により財産を取得していなければ適用されません。

 


A生命保険金等の非課税枠を利用する


生命保険金には相続税の非課税枠があります。生命保険金の金額か

ら【500万円×法定相続人の数】を差し引いて相続税を計算することが

可能です。


例えば、法定相続人が2人の場合、生命保険金等の非課税枠は500

円×2人で1,000万円です。生命保険金が5,000万円であれば5,000

円−1,000万円で4,000万円に対して相続税が課税されます。生命保険

金が500万円であれば生命保険金の非課税枠の金額以下ですので相

続税が課税されません。


加入している生命保険の保険金が非課税枠の金額以下であれば、生

命保険に加入することで相続税を節税することができます。例えば、1

億円の現金預貯金を持っている場合、そのまま死亡してしまうと1億円

に対して相続税が課税されます。


しかし、生命保険金等の非課税枠の金額が1,000万円であり、保険金

1,000万円の生命保険に1,000万円を支払って加入した場合、相続

税が課税されるのは現金預貯金9,000万円のみです。生命保険金の金

額が非課税枠以下ですので生命保険金には相続税が課税されません。


 相続対策


相続財産


生命保険に加入しなかった場合


1億円


1
千万円の生命保険に加入した場合


9千万円



なお、生命保険には節税以外のメリットもあります。例えば、生命保険

は他の相続人の了承を得ることなく相続することが可能です。



B孫や子供に生命保険をかける



孫や子供に生命保険をかけ、その保険料を祖父母や親が支払っている

場合、生命保険の相続税評価額は解約返戻金の金額となります。なお、

解約返戻金とは生命保険を途中で解約した場合に払い戻される金額の

こです。


生命保険の中には初期の解約返戻金の金額が低額で、後で解約返戻

金の金額が上がるものがありますが、このような生命保険を孫や子供

にかけ、解約返戻金の金額が低いうちに相続させることで相続税を節

税することが可能です。


C生命保険金を一時所得として受け取る



生命保険は被保険者、保険料負担者、保険金受取人の関係によって

課税される税金が異なります。仮に父親が被保険者、子供が保険金受

取人の場合、保険料負担者が誰かによって課税される税金がどのよう

になるのか下記の表にまとめました。なお、被保険者とは保険の対象と

なっている人のことです。

 

 


被保険者 


保険料負担者


保険金受取人

 
 税金  


父親


父親


子供


相続税


父親


子供


子供


所得税


父親


母親


子供


贈与税



保険料負担者と保険金受取人が同一の場合は一時所得となり所得税

が課税されます。この制度を利用して節税対策をする方法があります。


D養子縁組で法定相続人を増やす



養子縁組とは血縁関係と無関係に親子関係を生じさせることができる

制度です。養子縁組をおこなうと法定相続人の数が増えますので下記

の規定の金額が増え相続税を節税できます。


法定相続人の数が増えることで金額が増える規定


・相続税の基礎控除額


・生命保険金等の非課税枠の金額


・死亡退職金等の非課税枠の金額


養子縁組には普通養子縁組と特別養子縁組の2種類があります。

  • 普通養子縁組:一般的な意味で使われる養子縁組。実親と養親の
  • 2と親子関係にある状態
  • 特別養子縁組:実親との親子関係を断絶し、養親との親子関係のみ
  • ある状態


E小規模宅地等の特例を利用する



小規模宅地等の特例とは一定の要件を満たすと土地の相続税評価額

を最大80%減額できる制度です。例えば、父親が所有する土地に父親

と子供が2人で住んでいたとします。この状況で父親が亡くなり、同居

していた子供が土地を相続し、住み続けた場合は小規模宅地等の特

例が適用され、土地の評価額を減額することが可能です。


故人が亡くなる前に老人ホームに入居していた場合


故人が居住用に使っていた土地を同居の親族が相続し、その土地に

住み続けるのであれば小規模宅地等の特例を適用することができま

す。なお、故人が亡くなる前に老人ホームに入居していた場合であって

も一定の要件を満たせば小規模宅地等の特例が受けられます。




区分


小規模宅地の種類


限度面積


減額割合


A

特定事業用宅地等

400u

80%



A

特定同族会社事業用宅地等

400u

80%


B

特定居住用宅地等

330u

80%


C

貸付事業用宅地等

200u

50%

 


相続時精算課税制度を利用して土地を贈与した場合


相続時精算課税制度とは2,500万円まで無税で贈与できる制度です。

ただし、相続時に贈与分を相続財産に加えて相続税を計算することに

なりますので節税効果はほとんどありません。


相続時精算課税制度を利用して土地を贈与した場合、その土地に小

規模宅地等の特例は適用されませんので注意してください。



F家なき子特例を利用する

小規模宅地等の特例は故人と同居していた親族ではないと使えないと

思われている方がいらっしゃるのですが、実は故人と同居していなかっ

た親族でも一定の要件を満たせば小規模宅地等の特例が適用され、

土地の評価額を減額することができます。


同居していなかった親族でも小規模宅地等の特例が受けられるという

度を家なき子特例と言います。@ 配偶者及び同居親族がいないこと

A相続開始前3年以内に、宅地を相続する親族は自己または自己の

配偶者の持ち家に住んでいないB 相続した宅地を相続税の申告期限

まで所有している


G地積規模の大きな宅地の評価を利用する



土地が広大である場合は宅地として売ることが難しいので大規模な宅

地開発をおこなう業者に売却することがあります。開発業者は土地を区

切り、住宅や道路などを開発します。土地に道路や公園のような公共

施設があると宅地として利用できる土地面積が減ってしまいますので、

あまりにも広大な土地は相続税評価額を下げることができます。


広大な土地の相続税評価額を下げることができる規定を地積規模の大

きな宅地の評価と言います。なお、地積規模の大きな宅地の評価は平

29年度の税制改正で新設された制度で、それまで広大な土地の評

価は「広大地評価」が使われていました。


上記算式中の「丸B」および「丸B」は、地積規模の大きな宅地の所在する

地域に応じて、それぞれ次に掲げる表のとおりです。 三大都市圏以

外の地域に所在する宅地


?地積

普通商業・併用住宅

地区、普通住宅地区

?

 

?

 

1,000u以上3,000u未満

0.90

100

3,000u以上5,000u未満

0.85

250

5,000u以上


0.80

500

 

 H更地に賃貸アパートを建築する



更地を所有している場合は更地の上に賃貸アパートを建築することで

相続税を下げることができます。ただし、賃貸アパートに空室が発生し

てしまうとその分家賃が得られません。賃貸アパートの借り手が見つか

るか事前に調査し、空室が多くなるリスクが高いようであれば賃貸アパ

ートを建築しないことをお勧めします。


I墓地・仏具を生前に購入する



墓地・墓石・仏壇・仏具には相続税が課税されません。そのため、墓

地・墓石・仏壇・仏具を生前に購入することで相続財産を減らすことがで

きます。


例えば、現金を1千万円持っている状態で亡くなると相続財産は1千万

となりますが、生前に墓地・墓石・仏壇・仏具を500万円分購入すると

現金が500万円に減ります。墓地・墓石・仏壇・仏具は相続税の非課税

財産であり相続財産に含める必要がないので、現金500万円に対して

のみ相続税が課税されます。


相続財産

 


墓地などを死後に購入する場合

,000万円


墓地などを生前に購入する場合

500万円



J会社への貸付金債権を整理する



小企業ではオーナーである役員が会社にお金を貸していることがあり

ます。お金を貸している役員が亡くなった場合、役員の貸付金債権は

相続財産として相続税が課税されます。


例えば、父親が役員で会社に1億円を貸し、会社からお金を返してもらう

ことなく死亡した場合、1億円の貸付金債権に対して相続税が課税され

ます。貸付金債権を相続した人はその分の相続税を支払わなければい

けません。


貸付金債権の回収が著しく困難であれば相続財産に含めなくとも良い

場合もありますが、会社が債務超過の状態という理由だけでは回収可

能性があると判断されてしまい、相続税の課税対象になってしまいま

す。回収が不可能であることを立証するのは難しいため、生前に貸付

金債権を整理することをお勧めします。


K教育資金贈与信託を利用する



25年度の税制改正によって教育資金の贈与に関する贈与税の非

課税枠が設けられました。信託銀行等に子供や孫の教育資金を信託す

1,500万円まで贈与税が非課税になるという制度です。この制度を教

育資金贈与信託と言います。


余命がわずかであり、すぐに相続税対策をする必要がある場合は教育

資金贈与信託を使うことで節税効果が得られることもあります。信託が

なされたのが死亡前3年以内かどうかにかかわらず、信託した金銭の

残金に相続税が課税されることになりました。


ただし、@受贈者(孫など)が23歳未満である場合、A学校等に在学し

ている場合、B教育訓練給付金の支給対象となる教育訓練を受けてい

る場合には遺贈とみなされないことは平成31年改正と同様です。

 

L相続時精算課税制度を利用する



60
歳以上の親や祖父母から18歳以上の子供や孫に贈与する場合、

相続時精算課税制度という制度を利用することが可能です。相続時精

算課税制度を利用すると2,500万円まで贈与税が課税されませんが、

相続時に相続税が課税されてしまいます。そのため、節税効果は基本

的にはありません。ただし、贈与時から相続時までに時価が上がる財

産を贈与する場合は相続時精算課税制度を利用することで節税するこ

とができます。


例えば、10年後に時価が2,000万円から4,000万円に上がる不動産を

持っている場合、10年後に相続が発生したら4,000万円に対して相続

税が課税されます。この不動産を時価が2,000万円のうちに相続時精

算課税制度を利用して贈与すると、相続時に時価が4,000万円になって

いたとしても、贈与時の時価である2,000万円に対して相続税が課税さ

れます。


時価が上昇する可能性が高い財産がある場合は相続時精算課税制度

を利用して贈与することで節税できる可能性があります。

 

M収益不動産を贈与する



賃貸アパートや駐車場を所有していると収入が入ってくるので相続財産

が増えてしまいます。そこで、賃貸アパートや駐車場を子供や孫に贈与

することで相続財産が増えることを防ぐことができます。なお、贈与後

の不動産収入は受贈者が受け取ることになります。


N死亡退職金等の非課税枠を利用する


亡退職金には非課税枠が設けられています。死亡退職金の一部を

非課税とする規定のことを死亡退職金等の非課税枠と言います。死亡

退職金等の非課税枠の計算式は【500万円×法定相続人の数】です。

支払った掛金の金額が所得控除の対象となります。小規模企業共済

に加入して掛金を支払えば、確定申告の際にその金額を課税対象所

得から控除することができるため、高い節税効果があります。掛金金額

は、千円から7万円までの範囲内(5百円単位)で自由に選択すること

ができます。6ヵ月以上積み立てると、廃業した場合に共済金を受け取

ることができ、退職金代わりにすることができます。