相続対策浜松
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資産税(相続・贈与・譲渡)に特化した税理士事務所です
損をしない相続税見直し還付

続対策講演会の様子

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民法債権法改正

 

民法(債権関係)の改正に関する説明資料

1.消滅時効に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・1

2.法定利率に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・12

3.保証に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・17

4.債権譲渡に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・27

5.約款(定型約款)に関する規定の新設・・・・・・・・・30

6.意思能力制度の明文化・・・・・・・・・・・・・・・・34

7.意思表示に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・35

8.代理に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・38

9.債務不履行による損害賠償の帰責事由の明確化・・・・・39

10.契約解除の要件に関する見直し・・・・・・・・・・・・40

11.売主の瑕疵担保責任に関する見直し・・・・・・・・・・42

12.原始的不能の場合の損害賠償規定の新設・・・・・・・・44

13.債務者の責任財産の保全のための制度・・・・・・・・・45

14.連帯債務に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・48

15. 債務引受に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・49

16.相殺禁止に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・50

17.弁済に関する見直し(第三者弁済)・・・・・・・・・・51

18.契約に関する基本原則の明記・・・・・・・・・・・・・52

19.契約の成立に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・52

20.危険負担に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・55

21.消費貸借に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・56

22.賃貸借に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・・57

23.請負に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・61

24.寄託に関する見直し・・・・・・・・・・・・・・・・・64

 

 

 

民法債権法改正


 






未成年者控除







相続時精算課税制度







成年年齢18歳に






遺産分割協議書






自筆証書遺言書の方式緩和と保管制度






民法904条の3






遺留分侵害額の請求






遺留分侵害額請求権の期間制限






遺留分の金銭債権化とは




相続人申告登記制度の新設




民法とは




保証人の保護に関する改正





個人の根保障契約における極度額の定め





賃貸借標準契約書を改正



賃貸人の保証人への説明義務





家賃以外で生じる保証人の責任





分割払いの約束が守られなかったときの情報提供義務





賃貸不動産が譲渡された場合のルールの明確化





用法違反による損害賠償請求権の消滅時効





管理を管理業者に依頼するための場合





賃貸借に関するルールの見直しの経過措置





家賃保証会社の利用が増えていると予想される理由





賃貸契約に係る現状回復義務の明文化





賃貸契約に係る敷金に関する既定の明文化





債権の消滅時効の改正





定型約款の新設





約款に関する既定の経過措置は





賃貸借契約に関するルールの見直し





賃貸借の尊属期間の延長





意思能力に関するルール





賃貸物の一部滅失





契約を解除するための要件の見直し





瑕疵担保責任から契約内容不適合責任に変わります





消費貸借契約に関するルールの見直し





消費貸借契約に関するルールの見直し





債権者の危険負担





瑕疵が廃止され契約不適合に





請負契約に関する見直し





請負契約に関する見直し





請負契約に関する見直し





勧告によらない解除





心裡留保とは





虚偽表示とは





仮装取引は無効か有効か





隔地者間の契約の成立時期の見直し





変動法定利率の採用





請負契約における契約不適合責任





遺言執行者の見直し





契約の修正を検討する





プロフィール




第一節 通則

(趣旨)

第一条
 この法律は、相続税及び贈与税について、納税義務者、課税財

産の範囲、税額の計算の方法、申告、納付及び還付の手続並びにその

納税義務の適正な履行を確保するため必要な事項を定めるものとする。


(定義)

第一条の二
 この法律において、次の各号に掲げる用語の意義は、当

該各号に定めるところによる。

 扶養義務者 配偶者及び民法(明治二十九年法律第八十九号)

第八百七十七条(扶養義務者)に規定する親族をいう。

 期限内申告書 第五十条第二項の場合を除き、第二十七条第一

項及び第二項、第二十八条第一項及び第二項並びに第二十九条の

規定による申告書をいう。

 期限後申告書 国税通則法(昭和三十七年法律第六十六号)第十

八条第二項(期限後申告書)に規定する期限後申告書をいう。

 修正申告書 国税通則法第十九条第三項(修正申告書)に規定

する修正申告書をいう。

 更正 国税通則法第二十四条(更正)又は第二十六条(再更正)

の規定による更正をいう。

 決定 第三十三条の二の場合を除き、国税通則法第二十五条(決

定)の規定による決定をいう。

(相続税の納税義務者)

第一条の三
 次の各号のいずれかに掲げる者は、この法律により、相

続税を納める義務がある。

 相続又は遺贈(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を含

む。以下同じ。)により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該財

産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するもの

 一時居住者でない個人

 一時居住者である個人(当該相続又は遺贈に係る被相続人(遺

贈をした者を含む。以下同じ。)が外国人被相続人又は非居住被相

続人である場合を除く。)

 相続又は遺贈により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該

財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの

 日本国籍を有する個人であつて次に掲げるもの

(1)
 当該相続又は遺贈に係る相続の開始前十年以内のいずれ

かの時においてこの法律の施行地に住所を有していたことがある

もの

(2)
 当該相続又は遺贈に係る相続の開始前十年以内のいずれ

の時においてもこの法律の施行地に住所を有していたことがないも

の(当該相続又は遺贈に係る被相続人が外国人被相続人又は非

居住被相続人である場合を除く。)

 日本国籍を有しない個人(当該相続又は遺贈に係る被相続人が

外国人被相続人又は非居住被相続人である場合を除く。)

 相続又は遺贈によりこの法律の施行地にある財産を取得した個

人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有す

るもの(第一号に掲げる者を除く。)

 相続又は遺贈によりこの法律の施行地にある財産を取得した個

人で当該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有し

ないもの(第二号に掲げる者を除く。)

 贈与(贈与をした者の死亡により効力を生ずる贈与を除く。以下同

じ。)により第二十一条の九第三項の規定の適用を受ける財産を取得

した個人(前各号に掲げる者を除く。)

 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第百三十七条の二(国外

転出をする場合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)又

は第百三十七条の三(贈与等により非居住者に資産が移転した場合の

譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)の規定の適用があ

る場合における前項第一号ロ又は第二号イ(2)若しくはロの規定の適

用については、次に定めるところによる。

 所得税法第百三十七条の二第一項(同条第二項の規定により適

用する場合を含む。次条第二項第一号において同じ。)の規定の適用

を受ける個人が死亡した場合には、当該個人の死亡に係る相続税の

前項第一号ロ又は第二号イ(2)若しくはロの規定の適用については、

当該個人は、当該個人の死亡に係る相続の開始前十年以内のいず

れかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたものとみなす。
 所得税法第百三十七条の三第一項(同条第三項の規定により適用

する場合を含む。以下この号及び次条第二項第二号において同じ。)

の規定の適用を受ける者から同法第百三十七条の三第一項の規定

の適用に係る贈与により財産を取得した者(以下この号において「受

贈者」という。)が死亡した場合には、当該受贈者の死亡に係る相続

税の前項第一号ロ又は第二号イ(2)若しくはロの規定の適用につい

ては、当該受贈者は、当該受贈者の死亡に係る相続の開始前十年以

内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していたも

のとみなす。ただし、当該受贈者が同条第一項の規定の適用に係る

.贈与前十年以内のいずれの時においてもこの法律の施行地に住所を

有していたことがない場合は、この限りでない。

 所得税法第百三十七条の三第二項(同条第三項の規定により適

用する場合を含む。以下この号及び次条第二項第三号において同じ。

)の規定の適用を受ける相続人(包括受遺者を含む。以下この号及び

次条第二項第三号において同じ。)が死亡(以下この号において「二

次相続」という。)をした場合には、当該二次相続に係る相続税の前項

第一号ロ又は第二号イ(2)若しくはロの規定の適用については、当該

相続人は、当該二次相続の開始前十年以内のいずれかの時におい

てこの法律の施行地に住所を有していたものとみなす。ただし、当該

相続人が所得税法第百三十七条の三第二項の規定の適用に係る相

続の開始前十年以内のいずれの時においてもこの法律の施行地に住

所を有していたことがない場合は、この限りでない。

 第一項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定

めるところによる。

 一時居住者 相続開始の時において在留資格(出入国管理及び

難民認定法(昭和二十六年政令第三百十九号)別表第一(在留資格)

の上欄の在留資格をいう。次号及び次条第三項において同じ。)を有

する者であつて当該相続の開始前十五年以内においてこの法律の施

行地に住所を有していた期間の合計が十年以下であるものをいう。

 外国人被相続人 相続開始の時において、在留資格を有し、かつ

、この法律の施行地に住所を有していた当該相続に係る被相続人を

いう。

 非居住被相続人 相続開始の時においてこの法律の施行地に住

所を有していなかつた当該相続に係る被相続人であつて、当該相続

の開始前十年以内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住

所を有していたことがあるもののうちそのいずれの時においても日本

国籍を有していなかつたもの又は当該相続の開始前十年以内のいず

れの時においてもこの法律の施行地に住所を有していたことがないも

のをいう。

贈与税の納税義務者)

第一条の四 次の各号のいずれかに掲げる者は、この法律により、

贈与税を納める義務がある。

 贈与により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該財産を

取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するもの

 一時居住者でない個人

 一時居住者である個人(当該贈与をした者が外国人贈与者又

は非居住贈与者である場合を除く。)

 贈与により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該財産を

取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しないもの

 日本国籍を有する個人であつて次に掲げるもの

(1)
 当該贈与前十年以内のいずれかの時においてこの法律

の施行地に住所を有していたことがあるもの

(2)
 当該贈与前十年以内のいずれの時においてもこの法律

の施行地に住所を有していたことがないもの(当該贈与をした者

が外国人贈与者又は非居住贈与者である場合を除く。)

 日本国籍を有しない個人(当該贈与をした者が外国人贈与者

又は非居住贈与者である場合を除く。)

 贈与によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で当

該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有するも

の(第一号に掲げる者を除く。)

 贈与によりこの法律の施行地にある財産を取得した個人で当

該財産を取得した時においてこの法律の施行地に住所を有しない

もの(第二号に掲げる者を除く。)

 所得税法第百三十七条の二(国外転出をする場合の譲渡所得等

の特例の適用がある場合の納税猶予)又は第百三十七条の三(贈

与等により非居住者に資産が移転した場合の譲渡所得等の特例の

適用がある場合の納税猶予)の規定の適用がある場合における前

項第一号ロ又は第二号イ(2)若しくはロの規定の適用については、

次に定めるところによる。

 所得税法第百三十七条の二第一項の規定の適用を受ける個

人が財産の贈与をした場合には、当該贈与に係る贈与税の前項第

一号ロ又は第二号イ(2)若しくはロの規定の適用については、当

該個人は、当該贈与前十年以内のいずれかの時においてこの法

律の施行地に住所を有していたものとみなす。

 所得税法第百三十七条の三第一項の規定の適用を受ける者

から同項の規定の適用に係る贈与により財産を取得した者(以下こ

の号において「受贈者」という。)が財産の贈与(以下この号におい

て「二次贈与」という。)をした場合には、当該二次贈与に係る贈与

税の前項第一号ロ又は第二号イ(2)若しくはロの規定の適用につ

いては、当該受贈者は、当該二次贈与前十年以内のいずれかの

時においてこの法律の施行地に住所を有していたものとみなす。た

だし、当該受贈者が同条第一項の規定の適用に係る贈与前十年

以内のいずれの時においてもこの法律の施行地に住所を有してい

たことがない場合は、この限りでない。

 所得税法第百三十七条の三第二項の規定の適用を受ける相続

人が財産の贈与をした場合には、当該贈与に係る贈与税の前項第

一号ロ又は第二号イ(2)若しくはロの規定の適用については、当

該相続人は、当該贈与前十年以内のいずれかの時においてこの

法律の施行地に住所を有していたものとみなす。ただし、当該相続

.人が同条第二項の規定の適用に係る相続の開始前十年以内のい

ずれの時においてもこの法律の施行地に住所を有していたことが

ない場合は、この限りでない。

 第一項において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に

定めるところによる。

 一時居住者 贈与の時において在留資格を有する者であつて

当該贈与前十五年以内においてこの法律の施行地に住所を有して

いた期間の合計が十年以下であるものをいう。

 外国人贈与者 贈与の時において、在留資格を有し、かつ、こ

の法律の施行地に住所を有していた当該贈与をした者をいう。

 非居住贈与者 贈与の時においてこの法律の施行地に住所を

有していなかつた当該贈与をした者であつて、当該贈与前十年以

内のいずれかの時においてこの法律の施行地に住所を有していた

ことがあるもののうちそのいずれの時においても日本国籍を有して

いなかつたもの又は当該贈与前十年以内のいずれの時においても

この法律の施行地に住所を有していたことがないものをいう。

(相続税の課税財産の範囲)

第二条
 第一条の三第一項第一号又は第二号の規定に該当する者

については、その者が相続又は遺贈により取得した財産の全部に対

し、相続税を課する。

 第一条の三第一項第三号又は第四号の規定に該当する者につ

いては、その者が相続又は遺贈により取得した財産でこの法律の施

行地にあるものに対し、相続税を課する。


(贈与税の課税財産の範囲)

第二条の二
 第一条の四第一項第一号又は第二号の規定に該当

する者については、その者が贈与により取得した財産の全部に対し

、贈与税を課する。

 第一条の四第一項第三号又は第四号の規定に該当する者につ

いては、その者が贈与により取得した財産でこの法律の施行地にあ

るものに対し、贈与税を課する。

第二節 相続若しくは遺贈又は贈与により取得したものとみ

なす場合

(相続又は遺贈により取得したものとみなす場合)

第三条
 次の各号のいずれかに該当する場合においては、当該各

号に掲げる者が、当該各号に掲げる財産を相続又は遺贈により取得

したものとみなす。この場合において、その者が相続人(相続を放棄

した者及び相続権を失つた者を含まない。第十五条、第十六条、第

十九条の二第一項、第十九条の三第一項、第十九条の四第一項及

び第六十三条の場合並びに「第十五条第二項に規定する相続人の

数」という場合を除き、以下同じ。)であるときは当該財産を相続によ

り取得したものとみなし、その者が相続人以外の者であるときは当

該財産を遺贈により取得したものとみなす。

 被相続人の死亡により相続人その他の者が生命保険契約(保

険業法(平成七年法律第百五号)第二条第三項(定義)に規定する

生命保険会社と締結した保険契約(これに類する共済に係る契約

を含む。以下同じ。)その他の政令で定める契約をいう。以下同じ。

)の保険金(共済金を含む。以下同じ。)又は損害保険契約(同条第

四項に規定する損害保険会社と締結した保険契約その他の政令

で定める契約をいう。以下同じ。)の保険金(偶然な事故に基因する

死亡に伴い支払われるものに限る。)を取得した場合においては、

当該保険金受取人(共済金受取人を含む。以下同じ。)について、

当該保険金(次号に掲げる給与及び第五号又は第六号に掲げる権

利に該当するものを除く。)のうち被相続人が負担した保険料(共済

掛金を含む。以下同じ。)の金額の当該契約に係る保険料で被相

続人の死亡の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相

当する部分

 被相続人の死亡により相続人その他の者が当該被相続人に

支給されるべきであつた退職手当金、功労金その他これらに準ず

る給与(政令で定める給付を含む。)で被相続人の死亡後三年以内

に支給が確定したものの支給を受けた場合においては、当該給与

の支給を受けた者について、当該給与

 相続開始の時において、まだ保険事故(共済事故を含む。以下

同じ。)が発生していない生命保険契約(一定期間内に保険事故が

発生しなかつた場合において返還金その他これに準ずるものの支

払がない生命保険契約を除く。)で被相続人が保険料の全部又は

一部を負担し、かつ、被相続人以外の者が当該生命保険契約の契

約者であるものがある場合においては、当該生命保険契約の契約

者について、当該契約に関する権利のうち被相続人が負担した保

険料の金額の当該契約に係る保険料で当該相続開始の時までに

払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分

 相続開始の時において、まだ定期金給付事由が発生していな

い定期金給付契約(生命保険契約を除く。)で被相続人が掛金又は

保険料の全部又は一部を負担し、かつ、被相続人以外の者が当該

定期金給付契約の契約者であるものがある場合においては、当該

定期金給付契約の契約者について、当該契約に関する権利のうち

被相続人が負担した掛金又は保険料の金額の当該契約に係る掛

金又は保険料で当該相続開始の時までに払い込まれたものの全

額に対する割合に相当する部分

 定期金給付契約で定期金受取人に対しその生存中又は一定

期間にわたり定期金を給付し、かつ、その者が死亡したときはその

死亡後遺族その他の者に対して定期金又は一時金を給付するもの

に基づいて定期金受取人たる被相続人の死亡後相続人その他の

者が定期金受取人又は一時金受取人となつた場合においては、当

該定期金受取人又は一時金受取人となつた者について、当該定期

金給付契約に関する権利のうち被相続人が負担した掛金又は保険

料の金額の当該契約に係る掛金又は保険料で当該相続開始の時

までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分

 被相続人の死亡により相続人その他の者が定期金(これに係

る一時金を含む。)に関する権利で契約に基づくもの以外のもの(恩

給法(大正十二年法律第四十八号)の規定による扶助料に関する

権利を除く。)を取得した場合においては、当該定期金に関する権

利を取得した者について、当該定期金に関する権利(第二号に掲

げる給与に該当するものを除く。)

 前項第一号又は第三号から第五号までの規定の適用について

は、被相続人の被相続人が負担した保険料又は掛金は、被相続人

が負担した保険料又は掛金とみなす。ただし、同項第三号又は第四

号の規定により当該各号に掲げる者が当該被相続人の被相続人か

ら当該各号に掲げる財産を相続又は遺贈により取得したものとみな

された場合においては、当該被相続人の被相続人が負担した保険

料又は掛金については、この限りでない。

 第一項第三号又は第四号の規定の適用については、被相続人

の遺言により払い込まれた保険料又は掛金は、被相続人が負担し

た保険料又は掛金とみなす。

(遺贈により取得したものとみなす場合)

第四条
 民法第九百五十八条の二第一項(特別縁故者に対する相

続財産の分与)の規定により同項に規定する相続財産の全部又は

一部を与えられた場合においては、その与えられた者が、その与え

られた時における当該財産の時価(当該財産の評価について第三

章に特別の定めがある場合には、その規定により評価した価額)に

相当する金額を当該財産に係る被相続人から遺贈により取得したも

のとみなす。

 特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額が確定した場合

においては、当該特別寄与者が、当該特別寄与料の額に相当する

金額を当該特別寄与者による特別の寄与を受けた被相続人から遺

贈により取得したものとみなす。

(贈与により取得したものとみなす場合)

第五条
 生命保険契約の保険事故(傷害、疾病その他これらに類す

る保険事故で死亡を伴わないものを除く。)又は損害保険契約の保

険事故(偶然な事故に基因する保険事故で死亡を伴うものに限る。)

が発生した場合において、これらの契約に係る保険料の全部又は一

部が保険金受取人以外の者によつて負担されたものであるときは、

これらの保険事故が発生した時において、保険金受取人が、その取

得した保険金(当該損害保険契約の保険金については、政令で定め

るものに限る。)のうち当該保険金受取人以外の者が負担した保険

料の金額のこれらの契約に係る保険料でこれらの保険事故が発生し

た時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部分を

当該保険料を負担した者から贈与により取得したものとみなす。

 前項の規定は、生命保険契約又は損害保険契約(傷害を保険事

故とする損害保険契約で政令で定めるものに限る。)について返還

金その他これに準ずるものの取得があつた場合について準用する。

 前二項の規定の適用については、第一項(前項において準用す

る場合を含む。)に規定する保険料を負担した者の被相続人が負担

した保険料は、その者が負担した保険料とみなす。ただし、第三条

第一項第三号の規定により前二項に規定する保険金受取人又は返

還金その他これに準ずるものの取得者が当該被相続人から同号に

掲げる財産を相続又は遺贈により取得したものとみなされた場合に

おいては、当該被相続人が負担した保険料については、この限りで

ない。

 第一項の規定は、第三条第一項第一号又は第二号の規定によ

り第一項に規定する保険金受取人が同条第一項第一号に掲げる保

険金又は同項第二号に掲げる給与を相続又は遺贈により取得したも

のとみなされる場合においては、当該保険金又は給与に相当する部

分については、適用しない。

第六条
 定期金給付契約(生命保険契約を除く。次項において同じ

。)の定期金給付事由が発生した場合において、当該契約に係る掛

金又は保険料の全部又は一部が定期金受取人以外の者によつて負

担されたものであるときは、当該定期金給付事由が発生した時にお

いて、定期金受取人が、その取得した定期金給付契約に関する権利

のうち当該定期金受取人以外の者が負担した掛金又は保険料の金

額の当該契約に係る掛金又は保険料で当該定期金給付事由が発

生した時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当する部

分を当該掛金又は保険料を負担した者から贈与により取得したもの

とみなす。

 前項の規定は、定期金給付契約について返還金その他これに準

ずるものの取得があつた場合について準用する。


 第三条第一項第五号の規定に該当する場合において、同号に規

定する定期金給付契約に係る掛金又は保険料の全部又は一部が同

号に規定する定期金受取人又は一時金受取人及び被相続人以外

の第三者によつて負担されたものであるときは、相続の開始があつ

た時において、当該定期金受取人又は一時金受取人が、その取得

した定期金給付契約に関する権利のうち当該第三者が負担した掛

金又は保険料の金額の当該契約に係る掛金又は保険料で当該相

続開始の時までに払い込まれたものの全額に対する割合に相当す

る部分を当該第三者から贈与により取得したものとみなす。

 前三項の規定の適用については、第一項(第二項において準用

する場合を含む。)又は前項に規定する掛金又は保険料を負担した

者の被相続人が負担した掛金又は保険料は、その者が負担した掛

金又は保険料とみなす。ただし、第三条第一項第四号の規定により

前三項に規定する定期金受取人若しくは一時金受取人又は返還金

その他これに準ずるものの取得者が当該被相続人から同号に掲げ

る財産を相続又は遺贈により取得したものとみなされた場合におい

ては、当該被相続人が負担した掛金又は保険料については、この限

りでない。

(贈与又は遺贈により取得したものとみなす場合)

第七条
 著しく低い価額の対価で財産の譲渡を受けた場合において

は、当該財産の譲渡があつた時において、当該財産の譲渡を受けた

者が、当該対価と当該譲渡があつた時における当該財産の時価(当

該財産の評価について第三章に特別の定めがある場合には、その

規定により評価した価額)との差額に相当する金額を当該財産を譲

渡した者から贈与(当該財産の譲渡が遺言によりなされた場合には

、遺贈)により取得したものとみなす。ただし、当該財産の譲渡が、そ

の譲渡を受ける者が資力を喪失して債務を弁済することが困難であ

る場合において、その者の扶養義務者から当該債務の弁済に充て

るためになされたものであるときは、その贈与又は遺贈により取得し

たものとみなされた金額のうちその債務を弁済することが困難である

部分の金額については、この限りでない。

第八条
 対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で債務の

免除、引受け又は第三者のためにする債務の弁済による利益を受け

た場合においては、当該債務の免除、引受け又は弁済があつた時

において、当該債務の免除、引受け又は弁済による利益を受けた者

が、当該債務の免除、引受け又は弁済に係る債務の金額に相当す

る金額(対価の支払があつた場合には、その価額を控除した金額)を

当該債務の免除、引受け又は弁済をした者から贈与(当該債務の免

除、引受け又は弁済が遺言によりなされた場合には、遺贈)により取

得したものとみなす。ただし、当該債務の免除、引受け又は弁済が

次の各号のいずれかに該当する場合においては、その贈与又は遺

贈により取得したものとみなされた金額のうちその債務を弁済するこ

とが困難である部分の金額については、この限りでない。

 債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場

合において、当該債務の全部又は一部の免除を受けたとき。

 債務者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場

合において、その債務者の扶養義務者によつて当該債務の全部又

は一部の引受け又は弁済がなされたとき。

第九条
 第五条から前条まで及び次節に規定する場合を除くほか、

対価を支払わないで、又は著しく低い価額の対価で利益を受けた場

合においては、当該利益を受けた時において、当該利益を受けた者

が、当該利益を受けた時における当該利益の価額に相当する金額(

対価の支払があつた場合には、その価額を控除した金額)を当該利

益を受けさせた者から贈与(当該行為が遺言によりなされた場合に

は、遺贈)により取得したものとみなす。ただし、当該行為が、当該利

益を受ける者が資力を喪失して債務を弁済することが困難である場

合において、その者の扶養義務者から当該債務の弁済に充てるた

めになされたものであるときは、その贈与又は遺贈により取得したも

のとみなされた金額のうちその債務を弁済することが困難である部

分の金額については、この限りでない。

第三節 信託に関する特例

(贈与又は遺贈により取得したものとみなす信託に関する権利)

第九条の二
 信託(退職年金の支給を目的とする信託その他の信

託で政令で定めるものを除く。以下同じ。)の効力が生じた場合にお

いて、適正な対価を負担せずに当該信託の受益者等(受益者として

の権利を現に有する者及び特定委託者をいう。以下この節において

同じ。)となる者があるときは、当該信託の効力が生じた時において

、当該信託の受益者等となる者は、当該信託に関する権利を当該信

託の委託者から贈与(当該委託者の死亡に基因して当該信託の効

力が生じた場合には、遺贈)により取得したものとみなす。

 受益者等の存する信託について、適正な対価を負担せずに新た

に当該信託の受益者等が存するに至つた場合(第四項の規定の適

用がある場合を除く。)には、当該受益者等が存するに至つた時にお

いて、当該信託の受益者等となる者は、当該信託に関する権利を当

該信託の受益者等であつた者から贈与(当該受益者等であつた者

の死亡に基因して受益者等が存するに至つた場合には、遺贈)によ

り取得したものとみなす。

 受益者等の存する信託について、当該信託の一部の受益者等

が存しなくなつた場合において、適正な対価を負担せずに既に当該

信託の受益者等である者が当該信託に関する権利について新たに

利益を受けることとなるときは、当該信託の一部の受益者等が存し

なくなつた時において、当該利益を受ける者は、当該利益を当該信

託の一部の受益者等であつた者から贈与(当該受益者等であつた

者の死亡に基因して当該利益を受けた場合には、遺贈)により取得

したものとみなす。


 受益者等の存する信託が終了した場合において、適正な対価を負

担せずに当該信託の残余財産の給付を受けるべき、又は帰属すべ

き者となる者があるときは、当該給付を受けるべき、又は帰属すべき

者となつた時において、当該信託の残余財産の給付を受けるべき、

又は帰属すべき者となつた者は、当該信託の残余財産(当該信託の

終了の直前においてその者が当該信託の受益者等であつた場合に

は、当該受益者等として有していた当該信託に関する権利に相当す

るものを除く。)を当該信託の受益者等から贈与(当該受益者等の死

亡に基因して当該信託が終了した場合には、遺贈)により取得したも

のとみなす。

 第一項の「特定委託者」とは、信託の変更をする権限(軽微な変更

をする権限として政令で定めるものを除く。)を現に有し、かつ、当該

信託の信託財産の給付を受けることとされている者(受益者を除く。)

をいう。

 第一項から第三項までの規定により贈与又は遺贈により取得した

ものとみなされる信託に関する権利又は利益を取得した者は、当該

信託の信託財産に属する資産及び負債を取得し、又は承継したもの

とみなして、この法律(第四十一条第二項を除く。)の規定を適用する

。ただし、法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第二条第二十九

号(定義)に規定する集団投資信託、同条第二十九号の二に規定す

る法人課税信託又は同法第十二条第四項第一号(信託財産に属す

る資産及び負債並びに信託財産に帰せられる収益及び費用の帰属

)に規定する退職年金等信託の信託財産に属する資産及び負債に

ついては、この限りでない。


(受益者連続型信託の特例)

九条の三
 受益者連続型信託(信託法(平成十八年法律第百八

号)第九十一条(受益者の死亡により他の者が新たに受益権を取得

する旨の定めのある信託の特例)に規定する信託、同法第八十九条

第一項(受益者指定権等)に規定する受益者指定権等を有する者の

定めのある信託その他これらの信託に類するものとして政令で定め

るものをいう。以下この項において同じ。)に関する権利を受益者(受

益者が存しない場合にあつては、前条第五項に規定する特定委託

者)が適正な対価を負担せずに取得した場合において、当該受益者

連続型信託に関する権利(異なる受益者が性質の異なる受益者連

続型信託に係る権利(当該権利のいずれかに収益に関する権利が

含まれるものに限る。)をそれぞれ有している場合にあつては、収益

に関する権利が含まれるものに限る。)で当該受益者連続型信託の

利益を受ける期間の制限その他の当該受益者連続型信託に関する

権利の価値に作用する要因としての制約が付されているものについ

ては、当該制約は、付されていないものとみなす。ただし、当該受益

者連続型信託に関する権利を有する者が法人(代表者又は管理者

の定めのある人格のない社団又は財団を含む。以下第六十四条ま

でにおいて同じ。)である場合は、この限りでない。

 前項の「受益者」とは、受益者としての権利を現に有する者をいう。
(受益者等が存しない信託等の特例)

第九条の四 受益者等が存しない信託の効力が生ずる場合において、
当該信託の受益者等となる者が当該信託の委託者の親族として政

令で定める者(以下この条及び次条において「親族」という。)である

とき(当該信託の受益者等となる者が明らかでない場合にあつては、

当該信託が終了した場合に当該委託者の親族が当該信託の残余

財産の給付を受けることとなるとき)は、当該信託の効力が生ずる時

において、当該信託の受託者は、当該委託者から当該信託に関する

権利を贈与(当該委託者の死亡に基因して当該信託の効力が生ず

る場合にあつては、遺贈)により取得したものとみなす。

 受益者等の存する信託について、当該信託の受益者等が存しな

いこととなつた場合(以下この項において「受益者等が不存在となつ

た場合」という。)において、当該受益者等の次に受益者等となる者

が当該信託の効力が生じた時の委託者又は当該次に受益者等とな

る者の前の受益者等の親族であるとき(当該次に受益者等となる者

が明らかでない場合にあつては、当該信託が終了した場合に当該委

託者又は当該次に受益者等となる者の前の受益者等の親族が当該

信託の残余財産の給付を受けることとなるとき)は、当該受益者等が

不存在となつた場合に該当することとなつた時において、当該信託

の受託者は、当該次に受益者等となる者の前の受益者等から当該

信託に関する権利を贈与(当該次に受益者等となる者の前の受益者

等の死亡に基因して当該次に受益者等となる者の前の受益者等が

存しないこととなつた場合にあつては、遺贈)により取得したものとみ

なす。

 前二項の規定の適用がある場合において、これらの信託の受託

者が個人以外であるときは、当該受託者を個人とみなして、この法律

その他相続税又は贈与税に関する法令の規定を適用する。

 前三項の規定の適用がある場合において、これらの規定により

第一項又は第二項の受託者に課される贈与税又は相続税の額につ

いては、政令で定めるところにより、当該受託者に課されるべき法人

税その他の税の額に相当する額を控除する。

第九条の五
 受益者等が存しない信託について、当該信託の契約

が締結された時その他の時として政令で定める時(以下この条にお

いて「契約締結時等」という。)において存しない者が当該信託の受

益者等となる場合において、当該信託の受益者等となる者が当該信

託の契約締結時等における委託者の親族であるときは、当該存しな

い者が当該信託の受益者等となる時において、当該信託の受益者

等となる者は、当該信託に関する権利を個人から贈与により取得し

たものとみなす。

(政令への委任)

第九条の六
 受益者等の有する信託に関する権利が当該信託に関

する権利の全部でない場合における第九条の二第一項の規定の適

用、同条第五項に規定する信託財産の給付を受けることとされてい

る者に該当するか否かの判定その他この節の規定の適用に関し必

要な事項は、政令で定める。
第四節 財産の所在

第十条 次の各号に掲げる財産の所在については、当該各号に規定

する場所による。

 動産若しくは不動産又は不動産の上に存する権利については

、その動産又は不動産の所在。ただし、船舶又は航空機について

は、船籍又は航空機の登録をした機関の所在

 鉱業権若しくは租鉱権又は採石権については、鉱区又は採石

場の所在

 漁業権又は入漁権については、漁場に最も近い沿岸の属する

市町村又はこれに相当する行政区画

 金融機関に対する預金、貯金、積金又は寄託金で政令で定め

るものについては、その預金、貯金、積金又は寄託金の受入れをし

た営業所又は事業所の所在

 保険金については、その保険(共済を含む。)の契約に係る保

険会社等(保険業又は共済事業を行う者をいう。第五十九条第一

項及び第二項において同じ。)の本店又は主たる事務所(この法律

の施行地に本店又は主たる事務所がない場合において、この法律

の施行地に当該保険の契約に係る事務を行う営業所、事務所その

他これらに準ずるものを有するときにあつては、当該営業所、事務

所その他これらに準ずるもの。次号において同じ。)の所在

 退職手当金、功労金その他これらに準ずる給与(政令で定める

給付を含む。)については、当該給与を支払つた者の住所又は本

店若しくは主たる事務所の所在

 貸付金債権については、その債務者(債務者が二以上ある場

合においては、主たる債務者とし、主たる債務者がないときは政令

定める一の債務者)の住所又は本店若しくは主たる事務所の所在

 社債(特別の法律により法人の発行する債券及び外国法人の

発行する債券を含む。)若しくは株式、法人に対する出資又は政令

で定める有価証券については、当該社債若しくは株式の発行法人

、当該出資のされている法人又は当該有価証券に係る政令で定め

る法人の本店又は主たる事務所の所在

 法人税法第二条第二十九号(定義)に規定する集団投資信託

又は同条第二十九号の二に規定する法人課税信託に関する権利

については、これらの信託の引受けをした営業所、事務所その他こ

れらに準ずるものの所在

 特許権、実用新案権、意匠権若しくはこれらの実施権で登録さ

れているもの、商標権又は回路配置利用権、育成者権若しくはこれ

らの利用権で登録されているものについては、その登録をした機関

の所在


十一
 著作権、出版権又は著作隣接権でこれらの権利の目的物が

発行されているものについては、これを発行する営業所又は事業

所の所在

十二
 第七条の規定により贈与又は遺贈により取得したものとみ

なされる金銭については、そのみなされる基因となつた財産の種類

に応じ、この条に規定する場所

十三
 前各号に掲げる財産を除くほか、営業所又は事業所を有す

る者の当該営業所又は事業所に係る営業上又は事業上の権利に

ついては、その営業所又は事業所の所在

 国債又は地方債は、この法律の施行地にあるものとし、外国又

は外国の地方公共団体その他これに準ずるものの発行する公債は

、当該外国にあるものとする。

 第一項各号に掲げる財産及び前項に規定する財産以外の財産

の所在については、当該財産の権利者であつた被相続人又は贈与

をした者の住所の所在による。

 前三項の規定による財産の所在の判定は、当該財産を相続、遺

贈又は贈与により取得した時の現況による。
第二章 課税価格、税率及び控除

第一節 相続税

(相続税の課税)

第十一条 相続税は、この節及び第三節に定めるところにより、相続

又は遺贈により財産を取得した者の被相続人からこれらの事由によ

り財産を取得したすべての者に係る相続税の総額(以下この節及び

第三節において「相続税の総額」という。)を計算し、当該相続税の

総額を基礎としてそれぞれこれらの事由により財産を取得した者に

係る相続税額として計算した金額により、課する。


(相続税の課税価格)

第十一条の二
 相続又は遺贈により財産を取得した者が第一条の

三第一項第一号又は第二号の規定に該当する者である場合におい

ては、その者については、当該相続又は遺贈により取得した財産の

価額の合計額をもつて、相続税の課税価格とする。

 相続又は遺贈により財産を取得した者が第一条の三第一項第三

号又は第四号の規定に該当する者である場合においては、その者

については、当該相続又は遺贈により取得した財産でこの法律の施

行地にあるものの価額の合計額をもつて、相続税の課税価格とする。
(相続税の非課税財産)


第十二条
 次に掲げる財産の価額は、相続税の課税価格に算入し

ない。


 皇室経済法(昭和二十二年法律第四号)第七条(皇位に伴う由

緒ある物)の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物


 墓所、霊びよう及び祭具並びにこれらに準ずるもの


 宗教、慈善、学術その他公益を目的とする事業を行う者で政令

で定めるものが相続又は遺贈により取得した財産で当該公益を目

的とする事業の用に供することが確実なもの


 条例の規定により地方公共団体が精神又は身体に障害のあ

る者に関して実施する共済制度で政令で定めるものに基づいて支

給される給付金を受ける権利


 相続人の取得した第三条第一項第一号に掲げる保険金(前号

に掲げるものを除く。以下この号において同じ。)については、イ又

はロに掲げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当す

る部分

 第三条第一項第一号の被相続人のすべての相続人が取得し

た同号に掲げる保険金の合計額が五百万円に当該被相続人の

第十五条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロ

において「保険金の非課税限度額」という。)以下である場合 当

該相続人の取得した保険金の金額

 イに規定する合計額が当該保険金の非課税限度額を超える

場合 当該保険金の非課税限度額に当該合計額のうちに当該相

続人の取得した保険金の合計額の占める割合を乗じて算出した

金額

 相続人の取得した第三条第一項第二号に掲げる給与(以下こ

の号において「退職手当金等」という。)については、イ又はロに掲

げる場合の区分に応じ、イ又はロに定める金額に相当する部分

 第三条第一項第二号の被相続人のすべての相続人が取得し

た退職手当金等の合計額が五百万円に当該被相続人の第十五

条第二項に規定する相続人の数を乗じて算出した金額(ロにおい

て「退職手当金等の非課税限度額」という。)以下である場合 当

該相続人の取得した退職手当金等の金額

 イに規定する合計額が当該退職手当金等の非課税限度額を

超える場合 当該退職手当金等の非課税限度額に当該合計額

のうちに当該相続人の取得した退職手当金等の合計額の占める

割合を乗じて算出した金額

 前項第三号に掲げる財産を取得した者がその財産を取得した日

から二年を経過した日において、なお当該財産を当該公益を目的と

する事業の用に供していない場合においては、当該財産の価額は、

課税価格に算入する。


(債務控除)

第十三条
 相続又は遺贈(包括遺贈及び被相続人からの相続人に

対する遺贈に限る。以下この条において同じ。)により財産を取得し

た者が第一条の三第一項第一号又は第二号の規定に該当する者で

ある場合においては、当該相続又は遺贈により取得した財産につい

ては、課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から次に掲

げるものの金額のうちその者の負担に属する部分の金額を控除した

金額による。

 被相続人の債務で相続開始の際現に存するもの(公租公課を

含む。)

 被相続人に係る葬式費用


 相続又は遺贈により財産を取得した者が第一条の三第一項第三

号又は第四号の規定に該当する者である場合においては、当該相

続又は遺贈により取得した財産でこの法律の施行地にあるものにつ

いては、課税価格に算入すべき価額は、当該財産の価額から被相

続人の債務で次に掲げるものの金額のうちその者の負担に属する部

分の金額を控除した金額による。

 その財産に係る公租公課

 その財産を目的とする留置権、特別の先取特権、質権又は抵

当権で担保される債務

 前二号に掲げる債務を除くほか、その財産の取得、維持又は

管理のために生じた債務

 その財産に関する贈与の義務

 前各号に掲げる債務を除くほか、被相続人が死亡の際この法

律の施行地に営業所又は事業所を有していた場合においては、当

該営業所又は事業所に係る営業上又は事業上の債務


 前条第一項第二号又は第三号に掲げる財産の取得、維持又は

管理のために生じた債務の金額は、前二項の規定による控除金額

に算入しない。ただし、同条第二項の規定により同号に掲げる財産

の価額を課税価格に算入した場合においては、この限りでない。

 特別寄与者が支払を受けるべき特別寄与料の額が当該特別寄

与者に係る課税価格に算入される場合においては、当該特別寄与


料を支払うべき相続人が相続又は遺贈により取得した財産について

は、当該相続人に係る課税価格に算入すべき価額は、当該財産の

価額から当該特別寄与料の額のうちその者の負担に属する部分の

金額を控除した金額による。

第十四条
 前条の規定によりその金額を控除すべき債務は、確実と

認められるものに限る。


 前条の規定によりその金額を控除すべき公租公課の金額は、被

相続人の死亡の際債務の確定しているものの金額のほか、被相続

人に係る所得税、相続税、贈与税、地価税、再評価税、登録免許税

、自動車重量税、消費税、酒税、たばこ税、揮発油税、地方揮発油

税、石油ガス税、航空機燃料税、石油石炭税及び印紙税その他の

公租公課の額で政令で定めるものを含むものとする。

 前項の債務の確定している公租公課の金額には、被相続人が、

所得税法第百三十七条の二第一項(国外転出をする場合の譲渡所

得等の特例の適用がある場合の納税猶予)(同条第二項の規定によ

り適用する場合を含む。第三十二条第一項第九号イにおいて同じ。)

の規定の適用を受けていた場合における同法第百三十七条の二第

一項に規定する納税猶予分の所得税額並びに同法第百三十七条の

三第一項及び第二項(贈与等により非居住者に資産が移転した場

合の譲渡所得等の特例の適用がある場合の納税猶予)(これらの規

定を同条第三項の規定により適用する場合を含む。)の規定の適用

を受けていた場合における同条第四項に規定する納税猶予分の所

得税額を含まない。ただし、同法第百三十七条の二第十三項の規定

により当該被相続人の納付の義務を承継した当該被相続人の相続

人(包括受遺者を含む。以下この項及び同号において同じ。)が納付

することとなつた同条第一項に規定する納税猶予分の所得税額及び

当該納税猶予分の所得税額に係る利子税の額(当該納税猶予分の

所得税額に係る所得税の同法第百二十八条(確定申告による納付)

又は第百二十九条(死亡の場合の確定申告による納付)の規定によ

る納付の期限の翌日から当該被相続人の死亡の日までの間に係る

ものに限る。)並びに同法第百三十七条の三第十五項の規定により

当該被相続人の納付の義務を承継した当該被相続人の相続人が納

付することとなつた同条第四項に規定する納税猶予分の所得税額

及び当該納税猶予分の所得税額に係る利子税の額(当該納税猶予

分の所得税額に係る所得税の同法第二編第五章第二節第三款(納

付)の規定による納付の期限の翌日から当該被相続人の死亡の日

までの間に係るものに限る。)については、この限りでない。


(遺産に係る基礎控除)

第十五条 相続税の総額を計算する場合においては、同一の被相続

人から相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の

課税価格(第十九条の規定の適用がある場合には、同条の規定に

より相続税の課税価格とみなされた金額。次条から第十八条まで及

び第十九条の二において同じ。)の合計額から、三千万円と六百万

円に当該被相続人の相続人の数を乗じて算出した金額との合計額(

以下「遺産に係る基礎控除額」という。)を控除する。

 前項の相続人の数は、同項に規定する被相続人の民法第五編

第二章(相続人)の規定による相続人の数(当該被相続人に養子が

ある場合の当該相続人の数に算入する当該被相続人の養子の数は

、次の各号に掲げる場合の区分に応じ当該各号に定める養子の数

に限るものとし、相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつ

たものとした場合における相続人の数とする。)とする。

 当該被相続人に実子がある場合又は当該被相続人に実子が

なく、養子の数が一人である場合 一人


 当該被相続人に実子がなく、養子の数が二人以上である場合

 二人

 前項の規定の適用については、次に掲げる者は実子とみなす。

 民法第八百十七条の二第一項(特別養子縁組の成立)に規定

する特別養子縁組による養子となつた者、当該被相続人の配偶者

の実子で当該被相続人の養子となつた者その他これらに準ずる者

として政令で定める者


 実子若しくは養子又はその直系卑属が相続開始以前に死亡し

、又は相続権を失つたため民法第五編第二章の規定による相続人

(相続の放棄があつた場合には、その放棄がなかつたものとした

場合における相続人)となつたその者の直系卑属

(相続税の総額)

第十六条
 相続税の総額は、同一の被相続人から相続又は遺贈に

より財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価格に相当する金

額の合計額からその遺産に係る基礎控除額を控除した残額を当該

被相続人の前条第二項に規定する相続人の数に応じた相続人が民

法第九百条(法定相続分)及び第九百一条(代襲相続人の相続分)

の規定による相続分に応じて取得したものとした場合におけるその

各取得金額(当該相続人が、一人である場合又はない場合には、当

該控除した残額)につきそれぞれその金額を次の表の上欄に掲げる

金額に区分してそれぞれの金額に同表の下欄に掲げる税率を乗じ

て計算した金額を合計した金額とする。


千万円以下の金額
百分の十
千万円を超え三千万円以下の金額
百分の十五
三千万円を超え五千万円以下の金額
百分の二十
五千万円を超え一億円以下の金額
百分の三十
一億円を超え二億円以下の金額
百分の四十
二億円を超え三億円以下の金額
百分の四十五
三億円を超え六億円以下の金額
百分の五十
六億円を超える金額
百分の五十五


(各相続人等の相続税額)

第十七条
 相続又は遺贈により財産を取得した者に係る相続税額

は、その被相続人から相続又は遺贈により財産を取得したすべての

者に係る相続税の総額に、それぞれこれらの事由により財産を取得

した者に係る相続税の課税価格が当該財産を取得したすべての者

に係る課税価格の合計額のうちに占める割合を乗じて算出した金額

とする。

(相続税額の加算)

第十八条
 相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続又は

遺贈に係る被相続人の一親等の血族(当該被相続人の直系卑属が

相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたため、代襲して相続人

となつた当該被相続人の直系卑属を含む。)及び配偶者以外の者で

ある場合においては、その者に係る相続税額は、前条の規定にかか

わらず、同条の規定により算出した金額にその百分の二十に相当す

る金額を加算した金額とする。

 前項の一親等の血族には、同項の被相続人の直系卑属が当該被

相続人の養子となつている場合を含まないものとする。ただし、当該被

相続人の直系卑属が相続開始以前に死亡し、又は相続権を失つたた

め、代襲して相続人となつている場合は、この限りでない。


(相続開始前七年以内に贈与があつた場合の相続税額)

第十九条
 相続又は遺贈により財産を取得した者が当該相続の開

始前七年以内に当該相続に係る被相続人から贈与により財産を取

得したことがある場合においては、その者については、当該贈与に

より取得した財産(第二十一条の二第一項から第三項まで、第二十

一条の三及び第二十一条の四の規定により当該取得の日の属する

年分の贈与税の課税価格計算の基礎に算入されるもの(特定贈与

財産を除く。)に限る。以下この条及び第五十一条第二項において同

じ。)(以下この項において「加算対象贈与財産」という。)の価額(加

算対象贈与財産のうち当該相続の開始前三年以内に取得した財産

以外の財産にあつては、当該財産の価額の合計額から百万円を控

除した残額)を相続税の課税価格に加算した価額を相続税の課税価

格とみなし、第十五条から前条までの規定を適用して算出した金額(

加算対象贈与財産の取得につき課せられた贈与税があるときは、当

該金額から当該財産に係る贈与税の税額(第二十一条の八の規定

による控除前の税額とし、延滞税、利子税、過少申告加算税、無申

告加算税及び重加算税に相当する税額を除く。)として政令の定める

ところにより計算した金額を控除した金額)をもつて、その納付すべき

相続税額とする。

 前項に規定する特定贈与財産とは、第二十一条の六第一項に規

定する婚姻期間が二十年以上である配偶者に該当する被相続人か

らの贈与により当該被相続人の配偶者が取得した同項に規定する

居住用不動産又は金銭で次の各号に掲げる場合に該当するものの

うち、当該各号に掲げる場合の区分に応じ、当該各号に定める部分

をいう。

 当該贈与が当該相続の開始の年の前年以前にされた場合で

、当該被相続人の配偶者が当該贈与による取得の日の属する年

分の贈与税につき第二十一条の六第一項の規定の適用を受けて

いるとき 同項の規定により控除された金額に相当する部分


 当該贈与が当該相続の開始の年においてされた場合で、当該

被相続人の配偶者が当該被相続人からの贈与について既に第二

十一条の六第一項の規定の適用を受けた者でないとき(政令で定

める場合に限る。) 同項の規定の適用があるものとした場合に、

同項の規定により控除されることとなる金額に相当する部分

(配偶者に対する相続税額の軽減)

第十九条の二
 被相続人の配偶者が当該被相続人からの相続又

は遺贈により財産を取得した場合には、当該配偶者については、第

一号に掲げる金額から第二号に掲げる金額を控除した残額があると

きは、当該残額をもつてその納付すべき相続税額とし、第一号に掲

げる金額が第二号に掲げる金額以下であるときは、その納付すべき

相続税額は、ないものとする。

 当該配偶者につき第十五条から第十七条まで及び前条の規定

により算出した金額

 当該相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続

税の総額に、次に掲げる金額のうちいずれか少ない金額が当該相

続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続税の課税価

格の合計額のうちに占める割合を乗じて算出した金額

 当該相続又は遺贈により財産を取得した全ての者に係る相続

税の課税価格の合計額に民法第九百条(法定相続分)の規定に

よる当該配偶者の相続分(相続の放棄があつた場合には、その

放棄がなかつたものとした場合における相続分)を乗じて算出し

た金額(当該被相続人の相続人(相続の放棄があつた場合には

、その放棄がなかつたものとした場合における相続人)が当該配

偶者のみである場合には、当該合計額)に相当する金額(当該金

額が一億六千万円に満たない場合には、一億六千万円)

 当該相続又は遺贈により財産を取得した配偶者に係る相続

税の課税価格に相当する金額