父所有の家屋に長男の資金をもつて増築する場合の税務上の課税関係と留意点(附合)

長男である私は家族と共に父所有の家屋に居住していましたが、今度、私の自己資金
増築行うことになりました。持分の登記について税務上の課税関係とその留意点につ
いてどうなりますか。
(方法1)増築前の家屋を父から私に贈与して私名義とした後に増築をし、増築の登記も私
の名義により行う方式
(方法2)増築前の家屋の価額と増築部分の家屋の価額の比率により、父と私のその家屋
に対する持分比に応じる共有登記により行う方法
なお、増築前の家屋及び増築に関する資料は次のとうおりです。
●増築前の家屋の固定資産税評価額 300万円
●増築に要する費用の額 1,200万円

回答

(1)既存家屋に対する増築部分の家屋の所有者は、民法に規定する「不動産の附合」
規定により、原則として、既存家屋の所有者である父に帰属することとなります。
増築部分の登記は原則として父名義でしか行えず父に贈与税が課税されます。
1,200万円−110万円=1,090万円×50%−225万円=320万円(贈与税)
マンションのような区分所有ができるものですと問題がない。

(方法1)増築前の家屋の名義を変更する方法
の場合は、300万円−110万円=190万円×10%=1.9万円の贈与税が課税される。
贈与税以外に別途登録免許税と不動産取得税がかぜいされる。

(方法2)共有持分登記により行う方法
父の共有持分 長男の共有持分
300万円
300万円+1,200万円=1/5
1,200万円
300万円+1,200万円=4/5
下記の算式により、両者間の利益の移転額が等価であることが確認できます。
,
対象 父から長男への利益の金額 長男から父への利益の移転額
金額 300万円  ×     4/5     =240万円
(増築前の家屋の価額)(持分移転)
1,200万円 × 1/5 =240万円
(増築費用の価額)(残存持分移転)

上記のとうり父及び長男に対する贈与税の課税関係は生じないこととなります。
ただし父は長男に対して既存の建物の譲渡とがあったものとして、240万円の譲渡所得
が発生します。(居住用財産の特別控除は親族のため適用できません。)



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