土地等の売買契約の前後において、売主又は買主に相続等があった場合の取扱いについて

(1)土地等又は建物等の売買契約の締結後当該土地等又は建物等の売主から買主への引渡しの日(農地法の許可の
日又は届出の効力の効力の生じた日)前に売主又は買主に相続が開始した場合には、その相続に係る相続税の課税上
、それぞれ次にによる。
イ 売主に相続が発生した場合には、相続又は遺贈により取得した財産は、その売買契約に基づく相続開始における残代金請求権とする。
ロ買主に相続が開始した場合には、相続又は遺贈により取得した財産は、その売買契約に係る土地等又は建物等の引渡し等とし、その被相続人から承継した債務は、相続開始時における残代金支払債務とする。

売買契約に基づき被相続人たる売主又は買主が負担することとなっている売買の仲介手数料その他の経費で、相続開始の時において未払いのものは、被相続人の債務である。
(平成3年1月11日付)

土地等の売買契約中に売主が相続等があった場合の評価の特例(売買契約に係る残代金請求権が確定的に被相続人に帰属しているものと認め難いとされた国税不服審判所の裁決事例)

本件土地の買収目的は、共同で出店するための敷地の確保であったが、被相続人の死亡前に出店計画が断念され、以後再開されなかった。
契約履行日から3年4カ月経過後に解除された。本件土地について、相続税の課税財産とすべき財産を売買代金請求権
として評価することが、相続税法に定めるところの適正な時価に評価になり得るとは到底考えられない。
国税不服審判所は請求人の起訴事実を認め固定資産税評価額×倍数でよいことになった。売買残金請求権でなくても良いとの判決であった。戻る