山林所得
山林所得動画
目次
1.山林の地積
2.5年以内の譲渡は事業所得事業所得又は雑所得
3.山林所得金額の計算方法
4.山林所得
5.山林所得の特別控除
6.山林所得の森林計画特別控除
7.山林所得の赤字は損益通算できる
8.山林所得の税率
9.山林及び山林の上に存する権利
10.保安林の相続税評価方法
11.森林の立木の価額
12.静岡県森林組合連合会
13.愛知県森林組合連合会
14.小運搬距離の場所
15.土地の財産評価、宅地造成費の計算に必要な「傾斜度」を調べるには
16.山林の評価方法
17.全国地価マップ
18.市街化区域にある山林は、山林ではなく宅地(家が建つ土地)とする評価
19.傾斜地の聖地費用は、オンライン地図と計算式で算出できる
20.市街化山林の評価
21.傾斜地の宅地造成費
22.平坦地の宅地造成費
23.国税庁が定める宅地造成費とは
24.宅地への転用が見込めない市街化山林
25.山林を売るとかかる税金は
26.林業を営んでいるかどうかで、かかる税金が違う
27.山林所得の税金は優遇されている
29.28.保安林の登記
30.登録免許税
31.森林経営計画制度の概要
32.森林簿・森林計画図等の閲覧・交付について
33.山林所得収支内訳書
34.山林所得の税額表
35.森林の立木の標準価額表
36.立竹木
37.同一標準価額適用地域
38.評価単位
39.第26条立木の評価
40.山林に係る相続税の評価額と課税価格
41.山林に係る相続税の評価と課税価格
42.森林簿の主要樹種の立木の標準価額
43.地利級判定表
44.分収林契約に基づいて貸し付けられている山林の相続税
45.分収林契約に基づいて貸し付けられている山林に係る計算例
46.樹齢1年以下の立木の評価
47.標準伐期
48.林地台帳とは
49.森林簿
50.林地台帳情報とは
51.山林の売却先は
52.森林組合に相談する
53.森林経営計画とは
54.森林経営計画の主な記載事項
55.山林所得に係る森林計画特別控除
56.計画伐採に係る相続税の延納等の特例
57.山林についてての相続税の納税猶予制度
58.概算経費控除
59.所有が15年を超える山林売却に概算経費控除が使われる
60.庭園にある立木の相続税評価
61.地利級の表とその見方
62.山林所得の例外をまとめると、以下のようになります
63.山林の譲渡による所得であっても、山林所得以外の所得として課税
64.主な保安林の種類と区分(控除割合)の関係・原則
65.保安林等の立木の評価
66.水源かん養保安林
67.土砂流出防備保安林
68.土砂崩壊防備保安林
69.飛砂防備保安林
70.防風保安林
71.水害防備保安林
72.潮害防備保安林
73.千害防備保安林
74.防雪保安林
75.防霧保安林
76.なだれ防止保安林
77.落石防止保安林
78.防火保安林
79.魚つき保安林
80.航行目標保安林
81.保健保安林
82.風致保安林
83.山林所得の計算方法
84.山林所得
85.災害による山林の損失額の課税上の取扱い
86.補助金を活用するには
87.保安林・特別緑地保全区域にある山林の評価方法
89.65万円の青色申告特別控除
90.山林の伐採・譲渡に係る特例(所得税
91.山林所得の計算方法
92.山林所得の税額表
93.山林所得の仕組み
94.林業の生産物
95.木材(製材品)輸入相手告ランキング【2022年4現在】
96.山林所得の計算方法
97.土地の評価
98.森林の立木の価額
99.山林の土地の倍率方式で評価する場合の計算例
100.純山林の評価(土地)
101.地味級の判定方法
102.立木度とは
103.総合等級
104.地味級の判定方法
105.森林簿
106.雑種地の調べ方
107森林があるにも関わらず土砂崩れが増えて増えている原因
108.地味級の具体的な計算
109.果樹の相続評価
110.プロフィール
山林所得の申告のしかた
山林の地積
5年以内の譲渡は事業所得事業所得又は雑所得
山林所得金額の計算方法
山林所得
山林所得の特別控除
山林所得の森林計画特別控除
令和8年12月31日まで(2年延長)
山林所得の赤字は損益通算できる
山林所得の税率
山林及び山林の上に存する権利
保安林の相続税評価方法
森林の立木の価額
静岡県森林組合連合会
愛知県森林組合連合会
小運搬距離の場所
土地の財産評価、宅地造成費の計算に必要な「傾斜度」を調べるには
山林の評価方法
全国地価マップ
市街化区域にある山林は、山林ではなく宅地(家が建つ土地)とする評価
傾斜地の聖地費用は、オンライン地図と計算式で算出できる
市街化山林の評価
市街化山林の評価
傾斜地の宅地造成費
傾斜地の宅地造成費
平坦地の宅地造成費
国税庁が定める宅地造成費とは
宅地への転用が見込めない市街化山林
山林を売るとかかる税金は
林業を営んでいるかどうかで、かかる税金が違う
山林所得の税金は優遇されている
保安林の登記
登録免許税
森林経営計画制度の概要
森林簿・森林計画図等の閲覧・交付について
山林所得収支内訳書
山林所得の税額表
森林の立木の標準価額表
立竹木
同一標準価額適用地域
評価単位
第26場立木の評価
山林に係る相続税の評価額と課税価格
山林に係る相続税の評価と課税価格
森林簿の主要樹種の立木の標準価額
地利級判定表
分収林契約に基づいて貸し付けられている山林の相続税評価
分収林契約に基づいて貸し付けられている山林に係る計算例
樹齢1年以下の立木の評価
標準伐期
林地台帳とは
森林簿
林地台帳情報とは
山林の売却先は
森林組合に相談する
森林経営計画とは
森林経営計画の主な記載事項
山林所得に係る森林計画特別控除
計画伐採に係る相続税の延納等の特例
山林についてての相続税の納税猶予制度
概算経費控除
所有が15年を超える山林売却に概算経費控除が使われる
庭園にある立木の相続税評価
地利級の表とその見方
山林所得の例外をまとめると、以下のようになります
山林の譲渡による所得であっても、山林所得以外の所得として課税
主な保安林の種類と区分(控除割合)の関係・原則
保安林等の立木の評価
水源かん養保安林
.
土砂流出防備保安林
土砂崩壊防備保安林
飛砂防備保安林
防風保安林
水害防備保安林
潮害防備保安林
千害防備保安林
防雪保安林
防霧保安林
なだれ防止保安林
落石防止保安林
防火保安林
魚つき保安林
航行目標保安林
保健保安林
風致保安林
山林所得の計算方法
山林所得
災害による山林の損失額の課税上の取扱い
補助金を活用するには
保安林・特別緑地保全区域にある山林の評価方法
65万円の青色申告特別控除
山林の伐採・譲渡に係る特例(所得税)
山林所得の計算方法
山林所得の税額表
山林所得の仕組み
林業の生産物
木材(製材品)輸入相手告ランキング【2022年4現在】
山林所得の計算方法
土地の評価
森林の立木の価額
山林の土地の倍率方式で評価する場合の計算例
純山林の評価(土地)
地味級の判定方法
立木度とは
総合等級
地味級の判定方法
森林簿
雑種地の調べ方
森林があるにも関わらず土砂崩れが増えて増えている原因
地味級の具体的な具体的な計算
果樹の相続評価
プロフィール
農業所得
農業所得動画
目次
1.農業所得
2.動物も減価償却資産
3.成熟の年齢又は樹齢
4.家きん類とは
5.採卵用鶏の取得費の取扱いについて
6.農協特例(農協等を通じて取引される農産物に対する特例)
7.用語解説
8.卸売市場特例
9.直売所
10.インボイス制度まとめ
11.個人課税の税率(平成27年分以降)
12.仕入取引
13.農業所得の収入金額
14.家畜の育成費用
15.果樹の育成費用
16.家畜及び家きん類の販売用動物の棚卸し
17.肥料、農薬などの棚卸し
18.収入金額
19.未収入金
20.前受金
21.家事消費
22.未払金、前払経費
23.家事関連費の区分
24.農業所得の収入金額の計上期
24.果樹・牛馬等の育成費用の計算
25.「収穫基準」を簡略化できる農作物
26.果樹、牛馬等の育成費用の区分
27.消費税の申告・納付もお忘れなく
28.農産物の棚卸
29.家畜等の棚卸
30.家事消費など
31.専従者控除について
32.中古で購入した場合
33.棚卸表の作成
34.消費税等の経理処理
35.消費税等の納付税額及び還付税額の処理
36.不動産所得に係る損益通算の特例等
37.漢字の読み方
38.損益計算書の記入の仕方
39.その他の農業収入
40.収入金額の明細
41.減価償却費の計算
42果樹牛馬等の育成費用の計算
43.農地法第3条許可の流れ
44.農家の仕事は事業所得
45.特別農業所得者
46.農産物に適用される収穫基準とは
47.「収穫基準」を適用した場合の具体的計算例
48.農産物の棚卸しについて
49.農産物を著しく低い価額で販売した場合
50.農産物受払簿
51.事例 台風により果樹円ら被害を受けた場合
52.事例 家畜共済金の取り扱い
53.農業経営収入保険に加入手続きしてあります
54.大雨等の天候不順により生産量が減少した
55.種苗代の必要経費算入時期
56.棚卸資産
57.生物の償却
58.果樹、牛馬等の育成費用の区分
59.減価償却費
60.減価償却の方法
61.一括償却資産
62.転用後の償却限度額の計算
63.現金出納帳
64.農地の相続について農地を相続した場合には届出が必要です
65.農業所得者の確定申告の棚卸について
66.生物の償却
67.育成注の処理
68.成熟時の処理
69.牛馬、果樹等の取得価額
70.収支内訳書
71.定額法
72.生物の成熟の年齢(樹齢)表
73.生物、果樹等の棚卸
74.減価償却資産の残存割合表
75.減価償却資産の償却率等表
76.収入金額の計上期
77.果樹とは
78.果樹等の評価
79.具体例
80.耐用年数
81.肥料を与えるタイミング 春肥、夏肥、秋肥
82.有機肥料
83.化成肥料
84.みかんの実付きが悪いのは肥料のせい?
85.棚卸表
86.生物の償却(成熟の年齢又は除齢)
87.転用後の償却限度額の計算
88.必要経費
89.生物のと取得価額
90.自分で育てた場合は別の方法で算出します
91.育成中の生物として管理します
92.育成注の処理
93.仕訳は以下のようになります
94.育成中の行使のための飼料費等は、飼料費から控除しなければなりません
95.成熟期の処理
96.おわりに
動物も減価償却資産
成熟の年齢又は樹齢
家きん類とは
採卵用鶏の取得費の取扱いについて
農協特例(農協等を通じて取引される農産物に対する特例)
用語解設
卸売市場特例
直売所
インボイス制度まとめ
個人課税の税率(平成27年分以降)
仕入取引
農業所得の収入金額
家畜の育成費用
果樹の育成費用
家畜及び家きん類の販売用動物の棚卸し
肥料、農薬などの棚卸し
白色申告者の決算の手引き(農業所得用)
収入金額
未収入金
前受金
家事消費
未払金、前払経費
家事関連費の区分
農業所得の収入金額の計上期
果樹・牛馬等の育成費用の計算
「収穫基準」を簡略化できる農作物
果樹、牛馬等の育成費用の区分
消費税の申告・納付もお忘れなく
農産物の棚卸
家畜等の棚卸
家事消費など
専従者控除について
中古で購入した場合
棚卸表の作成
消費税等の経理処理
消費税等の納付税額及び還付税額の処理
不動産所得に係る損益通算の特例等
漢字の読み方
損益計算書の記入の仕方
その他の農業収入
収入金額の明細
減価償却費の計算
果樹牛馬等の育成費用の計算
農地法第3条許可の流れ
農家の仕事は事業所得
特別農業所得者
農産物に適用される収穫基準とは
「収穫基準」を適用した場合の具体的計算例
農産物の棚卸しについて
農産物を著しく低い価額で販売した場合
農産物受払簿
事例 台風により果樹円ら被害を受けた場合
事例 家畜共済金の取り扱い
農業経営収入保険に加入手続きしてあります
大雨等の天候天候不順により生産量が減少した
種苗代の必要経費算入時期
棚卸資産
生物の償却
果樹、牛馬等の育成費用の区分
減価償却費
減価償却の方法
一括償却資産
転用後の償却限度額の計算
現金出納帳
農地の相続について農地を相続した場合には届出が必要です
農業所得者の確定申告の棚卸について
生物の償却
育成注の処理
成熟時の処理
牛馬、果樹等の取得価額
収支内訳書
定額法
生物の成熟の年齢(樹齢)表
生物、果樹等の棚卸
減価償却資産の残存割合表
減価償却資産の償却率等表
収入金額の計上期
果樹とは
果樹等の評価
具体例
耐用年数
肥料を与えるタイミング 春肥、夏肥、秋肥
有機肥料
化成肥料
みかんの実付きが悪いのは肥料のせい?
棚卸表
生物の償却(成熟の年齢又は除齢)
転用後の償却限度額の計算
必要経費
生物のと取得価額
自分で育てた場合は別の方法で算出します
育成中の生物として管理します
育成注の処理
仕訳は以下のようになります
育成中の行使のための飼料費等は、飼料費から控除しなければなりません
成熟期の処理
おわりにに
会保険について
相続調査について
「相続の手続きをしているけれど、相続税の申告に不備があったりして税務調査されないか不安」
「去年相続税の申告をしたら、先日税務署から調査に入る連絡があった。どんな調査をされるのか、準備は
どうすればいいのかなどよくわからない」
など、相続税の税務調査についての不安や疑問を抱いてはいませんか?
安心してください!
税務署への申告のしかたや事前の準備次第で、税務調査がなるべく入らないように対策することがで
きるのです。
また、もし調査が入っても、正しく準備して対応すれば問題なく終わるものです。
この記事では、「これから申告するが、税務調査されないか不安」という人のために、
相続税の税務調査とはどんなものか:
調査内容、調査が入る確率、調査の時期
税務調査が入りやすいケース
なるべく税務調査されないための回避法
を詳しく説明していきます。
さらに、「税務調査されることが決まったが、どうすればいいのか」という人には、
どんな準備をすればいいのか
どこで行うのか、何を見られるのか
実際の調査の流れ
税務調査官から聞かれるであろう質問集
などを細かく解説します。
最後まで読めば、これから申告する人はなるべく税務調査が入られないように事前に対策を講じることができますし、
調査が決まっている人は適切な準備と心構えができるでしょう。
この記事で、税務調査に関するあなたの不安が解消されれば幸いです。
1.相続税の税務調査とは
まず最初に、相続税の税務調査とはどんなものなのか、調査される確率はどれくらいあるのかなど、知っておきたい
基礎的な知識から解説していきましょう。
1-1.調査の内容
相続税の税務調査は、「相続税を正しく申告したか」をチェックするために税務署が行うものです。
税務署は、相続に関わるさまざまな情報を入手することができます。
例えば、
預貯金の流れ
不動産の保有状況
株式や国債などの保有状況や履歴
生命保などです。
相続税の申告内容とこれらの情報との間にズレがないかをチェックして、疑問や不審があると調査に入ります。
この調査は、大きく2種類に分けられます。
1)任意調査
任意調査は、調査対象となる人に対して事前に税務署から連絡があり、調査日時を決めて行われます。
場所は、被相続人(遺産を遺して亡くなった人)が最後に住んでいた自宅で行われることが多いでしょう。
その場には、できれば相続人全員、それが無理であればなるべく多くの相続人を集めて、税理士にも立ち会ってもら
うことができます。
調査自体は、税務署員からの質問に対して相続人が答え、場合によっては通帳や土地の権利証などの書類を確認
します。
無理やり見られたくない部屋を家捜しされるようなことはありませんので安心してください。
ただ、「任意」調査ですが、基本的には断ることはできません。
強硬に断ると、2)の強制捜査に入られてしまう可能性があるのです。
2)強制調査
強制調査は、任意調査を拒否した人や、明らかに悪質な脱税が疑われる人などに対して行われます。
事前に連絡はなく、抜き打ちで自宅などに調査に入ります。
映画やドラマで「マルサ」と呼ばれる国税局査察部の職員が家探しをする場面がありますが、あのイメージが近いで
しょう。
とはいえ、強制調査が入るケースは非常に少なく、たいていは任意調査で解決しているので不安に思う必要はありま
せん。
1-2.調査される確率は約2割
税務調査は、贈与税や所得税、法人税などさまざまな税金の申告に対して行われていますが、中でも相続税の場合
は非常に調査されやすく、申告数の約20%に対して調査が入ります。5件に1件は調査されるということです。
というのも、相続税は比較的高額なため、申告漏れがあるとその金額も大きくなることが多いからです。
また、相続は一生にそう何度も経験するものではなく、申告慣れしていない人も多いので、間違いも起こりやすいの
です。
ちなみに、調査されると約8割は申告漏れを指摘され、追徴課税を支払っています。
言いかえれば、相続税の税務調査は珍しいことではなく、申告漏れをする人も多いので注意しなければいけません。
1-3.調査の時期は申告の翌年または2年後の8〜11月
税務調査が入る時期はだいたい決まっていて、申告の翌年または翌々年の8〜11月の場合が多くなっています。
これは、税務署の人事異動が毎年7月にあるため、その直後に調査を始め、翌年の人事異動前までに1年かけて調
査を進めていくためです。
もちろん、これ以外の時期に調査される場合や、3年後以降に連絡がある場合もまれにあります。
が、申告から2年後の11月を過ぎても調査の連絡がなければ、税務調査が入る可能性はかなり低くなると言えるでし
ょう。
2.税務調査が入りやすい12のケース
税務調査が入るのは、相続税の申告に対して税務署が疑問や不審を抱いた場合です。
特に、「遺産を少なく申告しているのではないか」「財産隠しではないか」と疑われてしまうと
それは具体的にはどんな例があるでしょうか。
この章では、税務調査が入りやすい具体的なケースについて解説していきましょう。
2-1.申告書に不備がある場合
当然ですが、申告書に計算ミスや記載間違い、添付書類不足などの不備があれば調査されます。
税務署は、亡くなった被相続人の預貯金や不動産など、財産とお金の流れを細かく把握していますので、その内容と
申告された相続財産に違いがあれば、ミスや財産隠しを疑われてしまうのです。
2-2.相続額が大きい場合(2億円以上)
相続財産の総額が大きい場合、特に2億円を超えると、税務調査が入る確率はグンと上がります。
というのも、財産が多いということはそれだけミスや見逃しのリスクが増えるからです。
例えば、単純な計算ミスだけでなく、不動産や有価証券、美術品や宝飾品などの評価ミス、財産の見落とし、悪質な
場合は意図的に財産隠しをしている可能性も疑われます。
税務署は、富裕層のリストを持っていて特に念入りに調査すると言われていますので、資産家の相続には注意が必
要です。
2-3.相続財産に預貯金や現金が多い場合、その出入が多かった場合
相続財産に不動産が多い場合に比べると、預貯金が多い場合の方が、税務調査が入りやすいものです。
また、預貯金の出金や入金回数が多い場合も、調査の対象になります。
理由はいくつかありますが、まず不動産は評価額の算定が複雑なため「解釈の違い」が焦点になりやすく、明確な申
告漏れを指摘しにくい傾向があります。
それに比べて預貯金は金額がはっきりしているため、申告漏れを見つけやすいのです。
また、預貯金の出入りが多いと、被相続人が生前に相続税対策として財産の移転をしていたのではないかと疑われ
ます。
あるいは、何かを売買していたか、個人間でお金の貸し借りをしていた可能性も考えられますが、これらは遺族でも
把握できない場合が多く、知らずに申告漏れしていることがあるため調査されやすいのです。
特に貸付金は、返済されていなくても債権として相続財産とみなされますので、申告していないと追徴課税の対象に
なってしまいます。
2-4.多額の借入金があるのにそれに見合う相続財産がない場合
被相続人が金融機関などから多額の借り入れをしているのに、その額に見合う財産、例えば不動産や事業設備など
が見当たらない場合も、税務調査が入ります。
遺族が財産を把握できずに申告漏れをしている可能性があるからです。
2-5.名義預金や暦年贈与が多くある場合
被相続人の配偶者や子ども、孫などの資産に不審な点があると、それも税務調査の対象になります。
特に多いのが、名義預金と暦年贈与についての調査です。
「名義預金」とは、被相続人が配偶者や子ども、孫などの名義で開設した口座のことです。
たとえ名義が違っても、通帳や印鑑を被相続人が管理していたり、名義人自身が自由にお金を出し入れすることが
できなければ、それは実質的に被相続人の財産であるとみなされ、相続税の申告が必要です。
専業主婦である妻や学生である子どもなど、収入が少ない相続人の預貯金が多ければ、名義預金ではないか、ある
いは生前贈与を受けていたのではないか、と疑われて調査されるのです。
もし名義預金がただの申告漏れではなく、意図的な隠し財産とみなされれば、重加算税として多額の追徴課税が課
される可能性もあります。
また、生前贈与には毎年110万円までなら非課税という基礎控除があり、これを利用して少しずつ長期間にわたって
生前贈与をするという節税方法があります。
「暦年贈与」と呼んでいますが、これが毎年規則正しく繰り返されていると、税務署から「最初から多額の贈与をする
つもりだった」と判断され、一括贈与と同じ贈与税を求められてしまう場合もあります。
暦年贈与については、関連記事「暦年贈与を正しく使って相続税対策~贈与を無駄にしないための2つの注意点~」
に詳しく解説されていますので、参照してみてください。
2-6.相続人名義の証券口座に残額が多くある場合
被相続人の配偶者や子どもなど、相続人名義の証券口座があって、収入に見合わない残額がある場合も税務調査
される可能性が高まります。
名義預金の場合と同様に、実質的には被相続人のものではないかと疑われるからです。
特に、配当金を被相続人が受け取っていたり、使った実績があると、被相続人の口座とみなされ、追徴課税されます。
2-7.海外資産が多い場合
相続財産の中に、海外資産が多い場合も税務調査されやすいと言えます。
海外の金融商品や外国債に投資するなど、資産運用がグローバル化してきて、税務署も海外資産の把握に努めて
います。
特に、海外への送金や入金が1回あたり100万円を超えると、金融機関から税務署にその情報が送られますので、
そこで把握している資産額と申告内容に違いがあれば、税務調査が入ることになります。(国外送金等調書)
2-8.生前に不動産所得や株式譲渡などがあったのに、申告額が少ない場合
被相続人の生前に、家賃収入などの不動産所得や、株式の譲渡などがあったにもかかわらず、相続税の申告額が
少ないと、税務調査されることがあります。
実際は利益が上がっていたのに、申告されていない可能性が考えられるからです。
2-9.家族の資産が多い場合
被相続人の家族への名義預金でなく、家族自身の預貯金口座だったとしても、残高が収入に対して多い場合や、そ
の他の資産を多く持っている場合は、税務調査の対象になることがあります。
これは、相続税対策として生前贈与された可能性があるからです。
もちろん贈与時に贈与税を正しく納めていれば、調査されても問題ありませんが、申告漏れがあった場合は追徴課
税されます。
2-10.被相続人が上場企業の社長や重役、医師や弁護士だった場合
亡くなった被相続人が、上場会社の社長や重役、医師や弁護士など、社会的地位が高く高収入な職業の場合、税務
署のチェックも厳しくなります。
特に、相続財産が予想されるほど多くなければ、申告漏れや資産隠しを疑われて調査が入るでしょう。
2-11.税理士に依頼せず自分で申告した場合
税理士に依頼せず、自分で申告した人も調査されやすい傾向があります。
相続税の申告は、専門家でなくても相続人本人でできますが、書類の種類が非常に多く、計算間違いや財産の見落
としなどが起きやすくなっています。
特に、土地の評価額は、場所や地形などによって判断が難しいものです。
そのため、自分で申告した場合には、よりチェックが厳しくなり、ミスを疑われる可能性が高くなるのです。
一方で、税理士に依頼した申告書には、税理士の署名が入るため信頼度が高くなり、調査される確率は下がります。
2-12.無申告の場合
計算の結果、相続税が発生しなかったために申告をしなかった、無申告の人の場合であっても税務調査が入る可能
性があります。
相続税にはさまざまな控除や特例があり、それらを適用した結果、相続税はゼロになるケースがよくあります。
例えば、相続税には基礎控除があって、「3,000万円+(600万円×法定相続人の数)」までは非課税です。
相続財産の総額がこの金額以下であれば、申告は必要ありません。
他にも配偶者であれば1億6,000万円まで控除されるなどの制度があります。
が、そもそもこれらの控除や特例が正しく適用されておらず、計算ミスや見落としがあったため、実は相続税が発生
していた、というケースもあります。
また、相続財産自体に見落としがあって、それを合算すると相続税が発生する、という場合もあるのです。
「自分は申告が必要ない」と思っていても、税務調査の可能性はゼロではありません。
3.税務調査されないための回避法5つ
「税務調査された人のうち、追徴課税される割合は8割」と聞くと、「できれば調査されたくない」と考えますよね。
この章では、どうすれば税務調査を回避することができるか、対処法を5つご紹介します。
もちろん100%回避できるわけではありませんが、リスクを最小限に減らすことは可能です。
以下の方法を実践してみてください。
3-1.正しく申告する
まず大前提として、正しく申告することがもっとも有効な回避法です。
相続財産の見落としがないよう、すべての財産を調査・把握する
計算ミスがないか、複数回にわたって検算する
以上2点に気をつけて申告しましょう。
3-2.相続税申告に強い税理士に依頼する
相続税の申告は自分ですることもできますが、税理士に依頼したほうがより税務調査されにくくなります。
プロである税理士の申告であれば、ミスや漏れは少ないからです。
申告書には税理士の署名も入りますので、それがあれば税務署からの信頼度はグッと高まります。
ただし、税理士といっても専門分野はさまざまで、中には相続税申告の経験が少ない人もいます。
依頼するなら相続税申告に強い税理士を探しましょう。
3-3.被相続人の財産を把握しておく
相続税の申告漏れが起きるのは、多くの場合、亡くなった被相続人の財産を遺族が把握していないことが原因です
配偶者も知らない預貯金口座や、高価な収集品があったり、知人とのお金の貸し借りをしていたり、被相続人名義の
賃貸アパートの家賃収入などを本人が握り込んでいたりするケースはよくあります。
そうなると、相続財産をすべて洗いだすのは大変な手間ですし、見落としが生じるリスクも大きいでしょう。
生前からどんな資産がどれくらいあるのか、口座はどれかなど、財産全体を家族が把握しておけば、申告漏れは防
ぐことができるはずです。
3-4.生前贈与した場合は証拠を残しておく
相続税対策として、生前贈与で財産を先に配偶者や子どもに分けておき、相続財産をできるだけ少なくするという方
法があります。
これを行う場合は、「生前贈与である」という証拠を必ず残すことが大切です。
例えば、現金を手渡しして贈与してしまうと、贈与の証拠は残りません。
大金が引き出されているのに、それが贈与だったことが証明できないと、税務署に不審に思われて調査されるリスク
が高まってしまいます。
贈与は銀行振込で記録を残す、相手が家族でも贈与の契約書を作るなど、生前贈与の証拠を必ず残しておきましょう。
3-5.相続に関するやりとりは形に残しておく
相続について、被相続人や遺産をもらう相続人との間で何かやりとりをする場合は、口約束ですませずに必ず記録
に残すことも大切です。
遺産を分割する際に、誰がいくらもらうのか、何をもらうのかによって、相続人一人ひとりが納める相続税額が決まり
ます。
この過程についてやりとりの記録が残っていれば、正しい額を納めたことを明確に証明でき、税務署から疑われるリ
スクを下げることができます。
4.税務調査される場合の対処法
正しく申告したつもりでも、もし税務調査されてしまったら、どう対処すればよいのでしょうか。
税務署からいらぬ疑いをかけられずに問題なく切り抜けるには、堂々と誠実に対応することが大切です。
そのために必要な準備や、知っておくべきことについて、以下に解説していきましょう。
4-1.必要な準備と書類
税務調査の対象になった場合は、まず税務署から連絡があります。
申告を税理士に依頼していれば担当の税理士に、相続人自身が申告していれば相続人に連絡が入るので、そこか
ら調査開始までの間に、必要な準備をしておきましょう。
1)申告書の内容を再確認する
申告の内容に間違いや見落としがないか、あらためて確認しましょう。
記入漏れがないかチェックし、計算ミスがないか検算するなど、細かく見直してください。
申告書の作成を税理士に依頼した場合は、その税理士と一緒に確認するとよいでしょう。
もし依頼せず自分で申告した場合でも、この時点で新たに税理士に依頼して、申告内容の確認と税務調査の立会い
をしてもらうこともできます。
不安があれば、相続に強い税理士を探して依頼しましょう。
2)財産の洗い直しをする
見落としている財産がないか、もう一度調べましょう。
まだ気づいていない預貯金口座、不動産、有価証券、現金などはないか、自宅や金庫をよく探してください。
特に見落としがちなのが以下のものですので、注意が必要です。
タンス預金やへそくりなどの現金
名義預金
美術品、骨董品、宝石など
生命保険金
人に貸していて未返済のお金や、商売の売掛金=債権
自宅とは別に所有している山林などの土地
亡くなる前3年以内に生前贈与された財産
→3年以内の生前贈与は相続財産として申告しなければいけない決まりがあります。
3)申告内容を証明する資料を揃える
税務調査官に対して申告した内容を実際に確認・証明するために、必要な書類や資料を可能な限り揃えましょう。
一般的には以下のような資料が揃っていれば心強いです。
相続税申告の際に使用した資料の原本すべて
被相続人の預貯金通帳すべて
相続人の預貯金通帳すべて
相続人が所有している土地の権利証や、不動産を購入した際の資料
相続人の認印
ここまで準備したら、落ち着いて当日を待ちましょう。
4-2.調査されるもの・場所
実際の税務調査では、
国税調査官による相続人への質問
預貯金通帳などの書類の現物を確認する調査
金庫やタンス、倉庫など貴重品を保管している場所を実際に見て確認する調査
が行われます。
被相続人が生前使っていた部屋や金庫などは、調査員から開示を求められたときに「金庫が開かない」「部屋が汚く
て見せたくない」といったことがないよう、鍵の確認や掃除をしておくとよりよいでしょう。
また、税務調査を受ける場所は、被相続人が生前最後に住んでいた自宅になる場合が多いようです。
ただし、自宅がなかったり、すでに売却してしまっているといった場合は、相続人の自宅などで行います。
調査が必要な被相続人の財産を子どものうちの誰かの家に保管している場合などは、その保管場所で行うこともあ
ります。
4-3.調査の流れと注意点
次に、税務調査の流れを、時間経過に沿って説明します。
その際の注意点も合わせて掲載しているので参考にしてください。
4-3-1.【調査前】
▽ 税務署から、相続人または担当税理士に税務調査に入る旨の連絡が電話で入る
→調査の日時を相談して決める
注1:調査を拒否することは、原則的にできません
注2:調査に立ち会うのは、できれば相続人全員、無理ならなるべく人数を揃えてください
注3:担当税理士も一緒に立ち会います
▽ 必要があれば、税理士に依頼する
→申告を自分でした場合、税務調査が不安であれば、この時点から税理士に依頼することも可能
注:税理士には得意分野があるので、必ず「相続に強い税理士」を探しましょう
▽申告書の内容をあらためて確認、再計算する
→担当税理士がいれば、一緒に確認
▽ 必要な資料・書類を揃える
4-3-2.調査当日 ※時間や内容は一般的な例です
参加者:国税調査官2人(質問係と記録係)、相続人(できれば全員)、いれば担当税理士
10:00 国税調査官が訪問 → 調査開始
▽ 調査官による聞き取り調査
→税務署のマニュアルに基づいた質問をされる(「4-4.聞かれやすい質問」参照)
12:00 昼休憩
注:調査官は必ず外に出て昼食をとるので、相続人側が昼食を用意する必要はありません
13:00 調査再開
▽ 現物確認調査
→午前中の質問をふまえて、調査官が通帳などの資料や、貴重品の保管場所などを実際に確認する
注1:揃えておいた資料は、あえて自分から出す必要はないので、求められたものを提出しましょう
注2:無理やり家探しされたりすることはありませんが、「見せてほしい」と求められた部屋や金庫などの開示を拒否
すると心証は良くないので、できれば隠さず見せてください
▽ 具体的な指摘や質問
→調査の結果、調査官より不審な点についての質問や、発覚した申告漏れについての具体的な指摘をされる
▽ 質問に対する回答をまとめた書面に署名押印
→調査官が、当日の質問と相続人からの回答を書面にまとめるので、内容を確認して相続人が署名押印する
注:この書面は、のちに何かあれば証拠として使われるので、立ち会いの税理士にも確認してもらうとよいでしょう
15:00〜17:00ごろ 調査終了
注:たいていは1日で終了ですが、調査内容が多岐にわたる場合は別日に再度調査が必要な場合もあります。
4-4.聞かれやすい質問
税務署には、税務調査のマニュアルがあり、調査官はそれをもとにして質問します。
そこで、税務調査の際によく聞かれる質問の例を紹介しておきます。
調査が決まったら、これらの問いに対して事前に回答を用意しておくと安心です。
【被相続人についての質問】
<プロフィール>
被相続人の出身地、職業、趣味は?
被相続人の結婚歴と時期、家族構成は?
<お金の流れ>
被相続人の収入源は?(職業による収入や、家賃収入、株式配当といった不労所得など)
被相続人はどのようにして相続財産を築いたか?(事業内容や過去の相続など)
被相続人と取引のある金融機関と支店名は?(過去に使っていたものも含む)
被相続人の出費の状況は?(月々の生活費、趣味や交際費、医療費など)
大きな出費があれば、その使途は?(特に相続開始直前のものは重視される)
被相続人の投資状況は?(取引のある証券会社や証券口座、投資の種類や投資額など)
被相続人が生前にした贈与や寄付の内容は?(相手先、金額、時期など)
被相続人が日記や家計簿をつけているか?
被相続人が亡くなったときの状況は?(入院していればその時期や病院名など)
被相続人にかかった介護費用や医療費は?
被相続人が亡くなる前の財産管理の状況は?(通帳や印鑑、書類は誰が管理していたかなど)
被相続人の印鑑を見せてほしい(贈与契約書など書類の押印は本当に被相続人のものか確認する)
被相続人は貸金庫を持っているか?
<家族について>
被相続人の配偶者や子どもの年齢、学校名、職業は?
被相続人の配偶者や子どもの財産状況は?
【相続人についての質問】
<プロフィール>
相続人の出身校、職業、住まいは?
<お金の流れ>
相続人と取引のある金融機関と支店名は?(過去に使っていたものも含む)
相続税を納税した金融機関は?(金融機関名、支店名など)
相続人の投資状況は?(取引のある証券会社や証券口座、投資の種類や投資額など)
相続人の自宅の購入金額や売却金額は?(過去に所有していた不動産も含む)
生前贈与を受けたことがあるか?(あれば時期や金額など)
相続人は貸金庫を持っているか?
相続人と税理士との関係は?
<家族について>
相続人の配偶者や子どもの年齢、学校名、職業は?
5.申告漏れがあった場合のペナルティ
税務調査の結果、申告漏れが見つかった場合は修正申告が必要です。
またさらに、大きく分けて3種類のペナルティもあるのです。
3種類のペナルティ
延滞税:税金を適切に納付しなかったことに対する利息的な税
加算税:税金を適切に申告しなかったことに対する懲罰的な税
刑事罰:悪質な脱税と判断された場合は犯罪として裁かれる
最後にこれらについても説明しておきましょう。
5-1.延滞税
延滞税は、納税を期限内にしなかった場合に課せられる延滞利息のような意味を持つ税金です。
相続税の申告・納税は、相続人が相続の開始を知った日から10ヶ月以内に行わなければなりません。
税務調査の結果、申告漏れが見つかり、それがこの10ヶ月の期限を過ぎていれば、延滞税が課せられることになり
ます。
延滞税率は、納付期限の翌日から2ヶ月以内の場合とそれ以降との2段階でそれぞれ違っていて、年によっても変
動します。
ちなみに平成30年1月1日から令和元年12月31日までの期間は、
納付期限の翌日から2ヶ月以内:年2.6%
納付期限の翌日から2ヶ月経った日以降:年8.9%
となっています。
5-2.加算税
加算税とは、税金を正しく申告しなかった場合に課せられる懲罰的な税金です。
相続税に関する加算税には以下の3種類があります。
1)無申告加算税
本来は申告が必要であったのに、期限内に申告しなかった場合に課せられます。
わざと申告しなかったのではなく、必要ないと思っていたり、うっかり失念していた人は、これに当たります。
税率は、正しい納税額に対して、50万円までは15%、50万円を超える部分には20%が加算されます。
2)過少申告加算税
申告はしたが、相続税額が本来よりも少なくなってしまっていた場合に課せられます。
これもわざと申告しなかったのではなく、気づかず申告漏れがあったり、財産の評価や計算を間違えていたりした人
に当てはまるものです。
修正申告または更正により納付することとなった税額の10%(期限内申告税額と50万円のいずれか多い金額を超え
る部分は15%)に相当する過少申告加算税が課せられます。
3)重加算税
過失ではなく、故意に財産を隠したり少なく偽装したりして、相続税を申告しなかった、または不当に少なく申告した
場合に課せられます。
加算税の中ではもっとも重いもので、税率は、無申告の場合は40%、過少申告の場合は35%です。
5-3.刑事罰
故意に財産を隠したり少なく偽装するなど、不正な手段で相続税を逃れた、または少なく申告した場合、特に悪質な
脱税事件と判断されると、逮捕・起訴され、裁判によって刑事罰が課せられることもあります。
相続税法第68条により、偽りその他不正の行為により相続税又は贈与税を免れた者は、10年以下の懲役もしくは
1,000万円以下の罰金と定められている重大な犯罪であることを知っておいてください。
社会保険の全体像について
社会保険料とは、5つの社会保険(健康保険・介護保険・厚生年金保険・雇用保険・労災保険)にかかる保
険料のことです。
狭義では、健康保険料と介護保険料、厚生年金保険料をまとめて社会保険料と呼び、雇用保険料と労災
保険料をまとめて労働保険料と呼ぶこともあります。
厚生年金基金に加入するには「単独設立」「連合設立」「総合設立」の3つの方法があります。いずれの方
法でも、基金加入員となるべき被保険者の2分の1以上の同意が必要です。被保険者の3分の1以上で組
織する労働組合がある場合は、労組の同意を得なければなりません。
今回、改正される内容以外の、パート、アルバイトの方の社会保険加入要件についてもおさらいしておきま
しょう。
先に紹介した企業規模や雇用期間に加え、下記の「すべてを満たす」ことが要件とされています。
・週の労働時間が20時間以上(残業等は含めない)
・賃金が月額88,000円以上(通勤手当は含めない)
・学生でない
例えば、賃金の月額88,000円で働いている方のケースでは、12ヵ月の賃金総額が1,058,000円となります
よね。
これが、106万円の壁といわれる数字の根拠です。なお、この判定の金額に通勤手当は含まれません。賞与
や残業代も含まれません。
雇用契約書をもとに判定
次に、週の労働時間が18時間(6時間/日で週3日勤務など)と定められているものの、突発的な残業で20時
間以上となるケースについて考えてみましょう。
このケースでは、先にご紹介したように「残業分は含めない」が原則であるため、雇用契約書で定められた
労働時間、日数をもとに要件を満たすかどうかを判定します。
ただし、2ヵ月以上連続して週20時間以上の労働時間となり、週20時間以上が継続的となる見込みがあるケ
ースでは、次の月から社会保険加入適用となるため注意が必要です。
1週間の労働時間が変動するケースでは、平均を算出して判定します。1ヵ月単位で労働時間が定められて
いるケースでは、1週間単位を算出(1ヵ月分の労働時間を12倍して年間の労働時間を算出し、年間の週数
である52で割る)して判定します。
長い夏期休暇があったり繁忙期の特定月だけ労働時間が長かったりというケースでは、通常月をもとに労働
時間を算出します。
社会保険は、被保険者が病気や怪我、出産や労働災害などの理由により休職、もしくは失業し収入が途絶え
てしまった場合に、生活を保障する公的な保険制度です。
社会保険を適用している会社に勤める従業員で条件を満たす場合、必ず社会保険に加入する必要がありま
す。
企業に属している従業員が保険料を負担する必要があるのは、5つの社会保険のうち健康保険・介護保険・
厚生年金保険・雇用保険です。
労災保険に関しては従業員の負担はなく、会社が全額納付します。月々の給与から差し引くことによって納
められる社会保険料は、課税対象額から外されることで「社会保険料控除」が適用されます。社会保険料控
除とは、1年間に支払った社会保険料のうち、給料から天引きされるもの以外のものを所得から控除する制
度です。
被保険者だけでなく、配偶者や子どもの社会保険料を支払っている場合も、年末調整の際に社会保険料控除
が適用されます。国民年金保険料や健康保険料を支払う際には、忘れずに申告するようにしましょう。
社会保険料の計算方法
社会保険料の中で、健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料・雇用保険料は企業と折半するかたちで納付
します。
なお、社会保険料の計算には「標準報酬月額」が使用されます。
標準報酬月額とは、給与等の平均額をキリの良い数字に区分した等級表に当てはめたものです。ここでは、
各保険料の計算方法を解説します。雇用保険料と標準報酬月額について詳しく知りたい方は以下の記事を
あわせてご確認ください。
健康保険料の計算方法
健康保険料は以下の計算式で算出できます健康保険料の計算式
健康保険料 = 標準報酬月額 × 健康保険料率
従業員が負担する健康保険料 = 健康保険料 ÷ 2
従業員が負担する健康保険料は企業と折半になるため、「健康保険料 ÷ 2」をすることで、従業員の負担分
を算出できます。
健康保険には「健康保険組合」と「全国健康保険協会(協会けんぽ)」の2種類があります。健康保険組合
は常時700人以上の従業員がいる事業所や、同種・同業の事業所が集まり3,000人以上の従業員がいる
事業所が、厚生労働大臣の許可を受けてそれぞれ健康保険組合を設立・運営しています。
一方、協会けんぽは、元々は国が運営していた健康保険事業を引き継いで設立された公法人です。健康保
険組合を設立していない事業所が加盟対象となり、主に中小企業が加盟しています。
健康保険料の計算例
保険料は、協会けんぽも健康保険組合も標準報酬月額に応じて変動します。協会けんぽの保険料率は都道
府県ごとに設定されていますが、健康保険組合の保険料率は、各組合の規約ごとに異なります。
ここでは、協会けんぽの健康保険料の計算例を解説します。自分で保険料を計算する場合は、協会けんぽ
のホームページから該当する都道府県の保険料率を確認してください。
健康保険料の計算例
例:標準報酬月額30万円、東京都で協会けんぽに加入している場合
保険料率:10.00%
300,000 × 10.00% ÷ 2 = 15,000円
厚生年金保険料の計算方法
厚生年金保険料も健康保険料と同様に、標準報酬月額から保険料率を掛けることで算出できます。
厚生年金保険料も健康保険料と同様に、標準報酬月額から保険料率を掛けることで算出できます。
厚生年金保険料の計算式
厚生年金保険料 = 標準報酬月額 × 18.300%
従業員が負担する厚生年金保険料 = 厚生年金保険料 ÷ 2
※2017年9月(10月納付分)以降の厚生年金保険料率は、18.300%で固定されました。
厚生年金保険料の計算例
具体的な厚生年金保険料の計算例は以下の通りです。
厚生年金保険料の計算例
例:標準報酬月額30万円、協会けんぽに加入している場合
保険料率:18.300%
300,000 × 18.300% ÷ 2 = 27,450円
介護保険料の計算方法
介護保険料は次の計算式で求めます。
介護保険料の計算式
介護保険料 = 標準報酬月額 × 介護保険料率
従業員が負担する介護保険料 = 介護保険料 ÷ 2
介護保険料率は毎年改定されて、2023年3月分(5月1日納付期限分)からの介護保険料率は全国一律で
1.82%です。なお、介護保険料の納付が発生するのは、40歳以上の従業員のみです。それに伴い、従業員
本人の介護保険への加入も40歳からとなります。40〜64歳(第2号被保険者)は、健康保険料に上乗せす
る形で介護保険料も納めます。65歳以上(第1号被保険者)は、会社勤めであっても自身が暮らしている市
区町村に介護保険料を納める必要があります。
介護保険料の計算例
介護保険料の計算例は以下の通りです。
介護保険料の計算例
例:標準報酬月額30万円の介護保険料
保険料率:1.82%
300,000 × 1.82% ÷ 2 = 2,730円
社会保険の計算に必要な標準報酬月額とは標準報酬月額とは、従業員の給与などの平均額を等級に分類し
たものをいいます。また、健康保険料と介護保険料は1〜50の等級で分類され、厚生年金保険料は1〜32等
級で分類されるという違いがあります。
毎年4月〜6月の賃金をベースに決定し、毎年9月に改定が行われ、原則1年間同じ標準報酬月額で保険料
を計算します。標準報酬月額によって、社会保険料の計算を簡単にすることができるのです。
標準報酬月額の対象賃金
標準報酬月額は基本給だけではなく、労働の対象となる給与や諸手当が含まれます。対象となる給与と手当
は以下のとおりです。
標準報酬月額を見直す算定基礎届
社会保険に加入している従業員がいる事業所は、毎年6月に標準報酬月額を見直す必要があります。その見
直した内容を記載した書類を「算定基礎届」といいます。
この算定基礎届は毎年7月10日までに、日本年金機構の事務センターか、管轄の年金事務所へ提出しなけ
ればなりません。これを定時決定といいます。
適用対象者
前述のとおり、自身の社会保険料に加え配偶者や子どもなど同一生計の親族の社会保険料を支払ってい
る場合親族分の社会保険料控除も適用されます。
ここでいう同一生計の親族とは、以下いずれかに該当する状態を指します。
日常生活の資を共にしている
別居の場合、生活費、学資金又は療養費などを常に送金している
別居の場合であっても、勤務、修学等の余暇には他の親族のもとで起居を共にしている
つまり、「生活するために必要なお金を共有している」状態であれば生計を一にしていると判断できます。
当てはまる場合、年末調整の際に親族分の社会保険料控除も忘れずに申告しましょう。
社会保険料控除の申告方法
社会保険料控除の適用を受けるには、年末調整の際に「給与所得者の保険料控除申告書」に必要事項を
記入し勤務先に指定された期日までに提出する必要があります。
ただし前述のとおり、給与所得者の場合、通常は給与から差し引かれた社会保険料(健康保険料や厚生年
金保険料)は会社が把握しているため、年末調整で社会保険料控除を申告する必要はありません。自ら申
告しなくても、給与から天引きされた社会保険料は控除の対象となります。
ただし、以下のようなケースに該当する場合は年末調整で社会保険料控除の申告が必要です。転職して次
の会社に入る前に自分で社会保険料を支払った場合
20歳以上の国民年金に加入している家族等の国民年金保険料を支払った場合
社会保険料控除の申請は、「会社の給与から差し引かれた金額以外の社会保険料を支払った場合に必要
」と理解しておきましょう。
なお、国民年金保険料や国民年金基金の掛金など、社会保険の種類によっては申告の際に証明書の添付
が必要なケースがあります。
国民年金保険料や国民年金基金の掛金を支払った際には、申告書の提出とあわせて社会保険料控除証明
書を添付します。社会保険料控除報告書は、毎年10・11月に日本年金機構や国民年金基金より自宅へ送ら
れます
新入社員の標準報酬月額の決め方
新入社員の場合は、給与の実績がないため標準報酬月額を算出することができません。この場合、見積給
与を算出し、標準報酬月額を決定します。基本給や通勤手当などの固定給与に、残業代などの変則的な給
与を見積もりで算出し加え、1ヶ月分の見積給与を出します。
算出した見積給与を標準報酬月額に当てはめて、新入社員の社会保険料を計算します。この見積給与に基
づいて算出された標準報酬月額は8月まで適用され、9月からは4月〜6月の実際の給与に基づいた標準報
酬月額が適用されます。
通勤手当を多くもらっている新入社員は標準報酬月額の等級が上がる場合があるため、新入社員同士でも社
会保険料の金額が異なることもあります。
標準報酬月額が年度の途中で変わる場合
9月以後の年度の途中であったとしても、標準報酬月額を改定する場合があります。その条件は、基本給や
家族手当などの固定賃金の変動があり、その月から連続する3ヶ月の賃金の平均が、現在適用されている
標準報酬月額と2等級以上の差が発生した場合です。
逆にいうと、1等級の差があった場合は改定する必要はなく、翌年度の7月10日に算定基礎届を提出します。
年度の途中で標準報酬月額を改定することを、随時改定と呼びます。随時改訂の際には「被保険者報酬月
額変更届」を日本年金機構の事務センター、もしくは管轄の年金事務所に提出する必要があり、社会保険料
も変わります。
賞与も社会保険の対象になる
社会保険料は、毎月の給与だけではなく、賞与(ボーナス)も対象となります。賞与から天引きされる保険
料は、標準賞与額に健康保険料率、厚生年金保険料率、40歳以上は介護保険料率を掛けて決まります。
社会保険の対象となる賞与とは、年3回以下の回数で支給されるものをいいます。金銭での報酬だけではな
く、自社製品など現物で支給されるものも含まれるので注意しましょう。
標準賞与額とは
標準賞与額とは、賞与の報酬額の1,000円未満の端数を切り捨てた額のことで、この金額を元にして社会
険料を計算します。
たとえば、賞与の支給総額が316,540円の場合、1,000円未満になる540円を切り捨て、標準賞与額は
316,000円になります。この標準賞与額から健康保険料率と厚生年金保険料率、40歳以上の方であれば介
護保険料率を掛けて保険料を算出します。
それぞれの計算式
賞与にかかる健康保険料 = 標準賞与額 × 健康保険料率 ÷ 2
賞与にかかる厚生年金保険料 = 標準賞与額 × 厚生年金保険料率 ÷ 2
賞与にかかる介護保険料 = 標準賞与額 × 介護保険料率 ÷ 2
なお、標準賞与額には上限が定められており、健康保険は年度累計で573万円、厚生年金保険は年度累計
で150万円です。
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